新シリーズ:『賢く生きよう』

 

-旧約聖書信仰の知恵に学ぶ-

 

日本聖書協会新共同訳・旧約聖書「詩編」 

 

98編

 

 98:1 【賛歌。】新しい歌を主に向かって歌え。主は驚くべき御業を成し遂げられた。右の御手、聖なる御腕によって/主は救いの御業を果たされた。

 

 98:2 主は救いを示し/恵みの御業を諸国の民の目に現し

 

 98:3 イスラエルの家に対する/慈しみとまことを御心に留められた。地の果てまですべての人は/わたしたちの神の救いの御業を見た。

 

 98:4 全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ。歓声をあげ、喜び歌い、ほめ歌え。

 

 98:5 琴に合わせてほめ歌え/琴に合わせ、楽の音に合わせて。

 

 98:6 ラッパを吹き、角笛を響かせて/王なる主の御前に喜びの叫びをあげよ。

 

 98:7 とどろけ、海とそこに満ちるもの/世界とそこに住むものよ。

 

 98:8 潮よ、手を打ち鳴らし/山々よ、共に喜び歌え

 

 

 98:9 主を迎えて。主は来られる、地を裁くために。主は世界を正しく裁き/諸国の民を公平に裁かれる。

97編

 

 97:1 主こそ王。全地よ、喜び躍れ。多くの島々よ、喜び祝え。

 

 97:2 密雲と濃霧が主の周りに立ちこめ/正しい裁きが王座の基をなす。

 

 97:3 火は御前を進み/周りの敵を焼き滅ぼす。

 

 97:4 稲妻は世界を照らし出し/地はそれを見て、身もだえし

 

 97:5 山々は蝋のように溶ける/主の御前に、全地の主の御前に。

 

 97:6 天は主の正しさを告げ知らせ/すべての民はその栄光を仰ぎ見る。

 

 97:7 すべて、偶像に仕える者/むなしい神々を誇りとする者は恥を受ける。神々はすべて、主に向かってひれ伏す。

 

 97:8 シオンは聞いて喜び祝い/ユダのおとめらは喜び躍る/主よ、あなたの裁きのゆえに。

 

 97:9 あなたは主、全地に君臨されるいと高き神。神々のすべてを超え、あがめられる神。

 

 97:10 主を愛する人は悪を憎む。主の慈しみに生きる人の魂を主は守り/神に逆らう者の手から助け出してくださる。

 

 97:11 神に従う人のためには光を/心のまっすぐな人のためには喜びを/種蒔いてくださる。

 

 

 97:12 神に従う人よ、主にあって喜び祝え。聖なる御名に感謝をささげよ。

96編

 

 96:1 新しい歌を主に向かって歌え。全地よ、主に向かって歌え。

 

 96:2 主に向かって歌い、御名をたたえよ。日から日へ、御救いの良い知らせを告げよ。

 

 96:3 国々に主の栄光を語り伝えよ/諸国の民にその驚くべき御業を。

 

 96:4 大いなる主、大いに賛美される主/神々を超えて、最も畏るべき方。

 

 96:5 諸国の民の神々はすべてむなしい。主は天を造られ

 

 96:6 御前には栄光と輝きがあり/聖所には力と光輝がある。

 

 96:7 諸国の民よ、こぞって主に帰せよ/栄光と力を主に帰せよ。

 

 96:8 御名の栄光を主に帰せよ。供え物を携えて神の庭に入り

 

 96:9 聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。全地よ、御前におののけ。

 

 96:10 国々にふれて言え、主こそ王と。世界は固く据えられ、決して揺らぐことがない。主は諸国の民を公平に裁かれる。

 

 96:11 天よ、喜び祝え、地よ、喜び躍れ/海とそこに満ちるものよ、とどろけ

 

 96:12 野とそこにあるすべてのものよ、喜び勇め/森の木々よ、共に喜び歌え

 

 

 96:13 主を迎えて。主は来られる、地を裁くために来られる。主は世界を正しく裁き/真実をもって諸国の民を裁かれる。

95編

 

 95:1 主に向かって喜び歌おう。救いの岩に向かって喜びの叫びをあげよう。

 

 95:2 御前に進み、感謝をささげ/楽の音に合わせて喜びの叫びをあげよう。

 

 95:3 主は大いなる神/すべての神を超えて大いなる王。

 

 95:4 深い地の底も御手の内にあり/山々の頂も主のもの。

 

 95:5 海も主のもの、それを造られたのは主。陸もまた、御手によって形づくられた。

 

 95:6 わたしたちを造られた方/主の御前にひざまずこう。共にひれ伏し、伏し拝もう。

 

 95:7 主はわたしたちの神、わたしたちは主の民/主に養われる群れ、御手の内にある羊。今日こそ、主の声に聞き従わなければならない。

 

 95:8 「あの日、荒れ野のメリバやマサでしたように/心を頑にしてはならない。

 

 95:9 あのとき、あなたたちの先祖はわたしを試みた。わたしの業を見ながら、なおわたしを試した。

 

 95:10 四十年の間、わたしはその世代をいとい/心の迷う民と呼んだ。彼らはわたしの道を知ろうとしなかった。

 

 

 95:11 わたしは怒り/彼らをわたしの憩いの地に入れないと誓った。」

94編

 

 94:1 主よ、報復の神として/報復の神として顕現し

 

 94:2 全地の裁き手として立ち上がり/誇る者を罰してください。

 

 94:3 主よ、逆らう者はいつまで/逆らう者はいつまで、勝ち誇るのでしょうか。

 

 94:4 彼らは驕った言葉を吐き続け/悪を行う者は皆、傲慢に語ります。

 

 94:5 主よ、彼らはあなたの民を砕き/あなたの嗣業を苦しめています。

 

 94:6 やもめや寄留の民を殺し/みなしごを虐殺します。

 

 94:7 そして、彼らは言います/「主は見ていない。ヤコブの神は気づくことがない」と。

 

 94:8 民の愚かな者よ、気づくがよい。無知な者よ、いつになったら目覚めるのか。

 

 94:9 耳を植えた方に聞こえないとでもいうのか。目を造った方に見えないとでもいうのか。

 

 94:10 人間に知識を与え、国々を諭す方に/論じることができないとでもいうのか。

 

 94:11 主は知っておられる、人間の計らいを/それがいかに空しいかを。

 

 94:12 いかに幸いなことでしょう/主よ、あなたに諭され/あなたの律法を教えていただく人は。

 

 94:13 その人は苦難の襲うときにも静かに待ちます。神に逆らう者には、滅びの穴が掘られています。

 

 94:14 主は御自分の民を決しておろそかになさらず/御自分の嗣業を見捨てることはなさいません。

 

 94:15 正しい裁きは再び確立し/心のまっすぐな人は皆、それに従うでしょう。

 

 94:16 災いをもたらす者に対して/わたしのために立ち向かい/悪を行う者に対して/わたしに代わって立つ人があるでしょうか。

 

 94:17 主がわたしの助けとなってくださらなければ/わたしの魂は沈黙の中に伏していたでしょう。

 

 94:18 「足がよろめく」とわたしが言ったとき/主よ、あなたの慈しみが支えてくれました。

 

 94:19 わたしの胸が思い煩いに占められたとき/あなたの慰めが/わたしの魂の楽しみとなりました。

 

 94:20 破滅をもたらすのみの王座/掟を悪用して労苦を作り出すような者が/あなたの味方となりえましょうか。

 

 94:21 彼らは一団となって神に従う人の命をねらい/神に逆らって潔白な人の血を流そうとします。

 

 94:22 主は必ずわたしのために砦の塔となり/わたしの神は避けどころとなり/岩となってくださいます。

 

 

 94:23 彼らの悪に報い/苦難をもたらす彼らを滅ぼし尽くしてください。わたしたちの神、主よ/彼らを滅ぼし尽くしてください。

93編

 

 93:1 主こそ王。威厳を衣とし/力を衣とし、身に帯びられる。世界は固く据えられ、決して揺らぐことはない。

 

 93:2 御座はいにしえより固く据えられ/あなたはとこしえの昔からいます。

 

 93:3 主よ、潮はあげる、潮は声をあげる。潮は打ち寄せる響きをあげる。

 

 93:4 大水のとどろく声よりも力強く/海に砕け散る波。さらに力強く、高くいます主。

 

 

 93:5 主よ、あなたの定めは確かであり/あなたの神殿に尊厳はふさわしい。日の続く限り。

92編

 

 92:1 【賛歌。歌。安息日に。】

 

 92:2 いかに楽しいことでしょう/主に感謝をささげることは/いと高き神よ、御名をほめ歌い

 

 92:3 朝ごとに、あなたの慈しみを/夜ごとに、あなたのまことを述べ伝えることは

 

 92:4 十弦の琴に合わせ、竪琴に合わせ/琴の調べに合わせて。

 

 92:5 主よ、あなたは/御業を喜び祝わせてくださいます。わたしは御手の業を喜び歌います。

 

 92:6 主よ、御業はいかに大きく/御計らいはいかに深いことでしょう。

 

 92:7 愚かな者はそれを知ることなく/無知な者はそれを悟ろうとしません。

 

 92:8 神に逆らう者が野の草のように茂り/悪を行う者が皆、花を咲かせるように見えても/永遠に滅ぼされてしまいます。

 

 92:9 主よ、あなたこそ、永遠に高くいます方。

 

 92:10 主よ、あなたに敵対する者は、必ず/あなたに敵対する者は、必ず滅び/悪を行う者は皆、散らされて行きます。

 

 92:11 あなたはわたしの角を野牛のように上げさせ/豊かな油を注ぎかけてくださることでしょう

 

 92:12 わたしを陥れようとする者をこの目で見/悪人がわたしに逆らって立つのを/この耳で聞いているときにも。

 

 92:13 神に従う人はなつめやしのように茂り/レバノンの杉のようにそびえます。

 

 92:14 主の家に植えられ/わたしたちの神の庭に茂ります。

 

 92:15 白髪になってもなお実を結び/命に溢れ、いきいきとし

 

 

 92:16 述べ伝えるでしょう/わたしの岩と頼む主は正しい方/御もとには不正がない、と。

91編

 

 91:1 いと高き神のもとに身を寄せて隠れ/全能の神の陰に宿る人よ

 

 91:2 主に申し上げよ/「わたしの避けどころ、砦/わたしの神、依り頼む方」と。

 

 91:3 神はあなたを救い出してくださる/仕掛けられた罠から、陥れる言葉から。

 

 91:4 神は羽をもってあなたを覆い/翼の下にかばってくださる。神のまことは大盾、小盾。

 

 91:5 夜、脅かすものをも/昼、飛んで来る矢をも、恐れることはない。

 

 91:6 暗黒の中を行く疫病も/真昼に襲う病魔も

 

 91:7 あなたの傍らに一千の人/あなたの右に一万の人が倒れるときすら/あなたを襲うことはない。

 

 91:8 あなたの目が、それを眺めるのみ。神に逆らう者の受ける報いを見ているのみ。

 

 91:9 あなたは主を避けどころとし/いと高き神を宿るところとした。

 

 91:10 あなたには災難もふりかかることがなく/天幕には疫病も触れることがない。

 

 91:11 主はあなたのために、御使いに命じて/あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。

 

 91:12 彼らはあなたをその手にのせて運び/足が石に当たらないように守る。

 

 91:13 あなたは獅子と毒蛇を踏みにじり/獅子の子と大蛇を踏んで行く。

 

 91:14 「彼はわたしを慕う者だから/彼を災いから逃れさせよう。わたしの名を知る者だから、彼を高く上げよう。

 

 91:15 彼がわたしを呼び求めるとき、彼に答え/苦難の襲うとき、彼と共にいて助け/彼に名誉を与えよう。

 

 

 91:16 生涯、彼を満ち足らせ/わたしの救いを彼に見せよう。」

90編

 

 90:1 【祈り。神の人モーセの詩。】主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。

 

 90:2 山々が生まれる前から/大地が、人の世が、生み出される前から/世々とこしえに、あなたは神。

 

 90:3 あなたは人を塵に返し/「人の子よ、帰れ」と仰せになります。

 

 90:4 千年といえども御目には/昨日が今日へと移る夜の一時にすぎません。

 

 90:5 あなたは眠りの中に人を漂わせ/朝が来れば、人は草のように移ろいます。

 

 90:6 朝が来れば花を咲かせ、やがて移ろい/夕べにはしおれ、枯れて行きます。

 

 90:7 あなたの怒りにわたしたちは絶え入り/あなたの憤りに恐れます。

 

 90:8 あなたはわたしたちの罪を御前に/隠れた罪を御顔の光の中に置かれます。

 

 90:9 わたしたちの生涯は御怒りに消え去り/人生はため息のように消えうせます。

 

 90:10 人生の年月は七十年程のものです。健やかな人が八十年を数えても/得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。

 

 90:11 御怒りの力を誰が知りえましょうか。あなたを畏れ敬うにつれて/あなたの憤りをも知ることでしょう。

 90:12 生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。

 

 90:13 主よ、帰って来てください。いつまで捨てておかれるのですか。あなたの僕らを力づけてください。

 

 90:14 朝にはあなたの慈しみに満ち足らせ/生涯、喜び歌い、喜び祝わせてください。

 

 90:15 あなたがわたしたちを苦しめられた日々と/苦難に遭わされた年月を思って/わたしたちに喜びを返してください。

 

 90:16 あなたの僕らが御業を仰ぎ/子らもあなたの威光を仰ぐことができますように。

 

 

 90:17 わたしたちの神、主の喜びが/わたしたちの上にありますように。わたしたちの手の働きを/わたしたちのために確かなものとし/わたしたちの手の働きを/どうか確かなものにしてください。

89編

 

 89:1 【マスキール。エズラ人エタンの詩。】

 

 89:2 主の慈しみをとこしえにわたしは歌います。わたしの口は代々に/あなたのまことを告げ知らせます。

 

 89:3 わたしは申します。「天にはとこしえに慈しみが備えられ/あなたのまことがそこに立てられますように。」

 

 89:4 「わたしが選んだ者とわたしは契約を結び/わたしの僕ダビデに誓った

 

 89:5 あなたの子孫をとこしえに立て/あなたの王座を代々に備える、と。」〔セラ

 

 89:6 主よ、天があなたの驚くべき力を告白し/聖なるものがその集会で/あなたのまことを告白しますように。

 

 89:7 雲の上で、誰が主に並びえましょう/神々の子らの中で誰が主に比べられましょう。

 

 89:8 聖なるものの集いにおいて/あなたは恐れられる神。御もとにあるものすべてに超えて/大いに畏れ敬われる方です。

 

 89:9 万軍の神、主よ/誰があなたのような威力を持つでしょう。主よ、あなたの真実は/あなたを取り囲んでいます。

 

 89:10 あなたは誇り高い海を支配し/波が高く起これば、それを静められます。

 

 89:11 あなたはラハブを砕き、刺し殺し/御腕の力を振るって敵を散らされました。

 

 89:12 天はあなたのもの、地もあなたのもの。御自ら世界とそこに満ちるものの基を置き

 

 89:13 北と南を創造されました。タボル山、ヘルモン山は/御名を喜び歌います。

 

 89:14 あなたは力強い業を成し遂げる腕を具え/御手の力を振るい/右の御手を高く上げられます。

 

 89:15 正しい裁きは御座の基/慈しみとまことは御前に進みます。

 

 89:16 いかに幸いなことでしょう/勝利の叫びを知る民は。主よ、御顔の光の中を彼らは歩きます。

 

 89:17 絶えず、御名によって喜び躍り/恵みの御業にあずかって奮い立ちます。

 

 89:18 あなたは彼らの力の輝きです。御旨によって、我らの角を高く上げてください。

 

 89:19 主は我らの盾/イスラエルの聖なる方は我らの王。

 

 89:20 あなたの慈しみに生きる人々に/かつて、あなたは幻によってお告げになりました。「わたしは一人の勇士に助けを約束する。わたしは彼を民の中から選んで高く上げた。

 

 89:21 わたしはわたしの僕ダビデを見いだし/彼に聖なる油を注いだ。

 

 89:22 わたしの手は彼を固く支え/わたしの腕は彼に勇気を与えるであろう。

 

 89:23 敵は彼を欺きえず/不正な者が彼を低くすることはない。

 

 89:24 わたしは彼の前で彼を苦しめる者を滅ぼし/彼を憎む者を倒す。

 

 89:25 わたしの真実と慈しみは彼と共にあり/わたしの名によって彼の角は高く上がる。

 

 89:26 わたしは彼の手を海にまで届かせ/彼の右の手を大河にまで届かせる。

 

 89:27 彼はわたしに呼びかけるであろう/あなたはわたしの父/わたしの神、救いの岩、と。

 

 89:28 わたしは彼を長子とし/地の諸王の中で最も高い位に就ける。

 

 89:29 とこしえの慈しみを彼に約束し/わたしの契約を彼に対して確かに守る。

 

 89:30 わたしは彼の子孫を永遠に支え/彼の王座を天の続く限り支える。

 

 89:31 しかし、彼の子らがわたしの教えを捨て/わたしの裁きによって歩まず

 

 89:32 わたしの掟を破り/わたしの戒めを守らないならば

 

 89:33 彼らの背きに対しては杖を/悪に対しては疫病を罰として下す。

 

 89:34 それでもなお、わたしは慈しみを彼から取り去らず/わたしの真実をむなしくすることはない。

 

 89:35 契約を破ることをせず/わたしの唇から出た言葉を変えることはない。

 

 89:36 聖なるわたし自身にかけて/わたしはひとつのことを誓った/ダビデを裏切ることは決してない、と。

 

 89:37 彼の子孫はとこしえに続き/彼の王座はわたしの前に太陽のように

 

 89:38 雲の彼方の確かな証しである月のように/とこしえに立つであろう。」〔セラ

 

 89:39 しかしあなたは、御自ら油を注がれた人に対して/激しく怒り、彼を退け、見捨て

 

 89:40 あなたの僕への契約を破棄し/彼の王冠を地になげうって汚し

 

 89:41 彼の防壁をことごとく破り/砦をすべて廃虚とされた。

 

 89:42 通りかかる者は皆、そこで略奪し/周囲の民は彼を辱める。

 

 89:43 彼を苦しめる者の右の手をあなたは高く上げ/彼の敵が喜び祝うことを許された。

 

 89:44 しかも、彼の剣を再び岩のかけらとし/戦いの時にも、彼の力を興してくださらない。

 

 89:45 あなたは彼の清さを取り去り/彼の王座を地になげうたれた。

 

 89:46 あなたは彼の若さの日を短くし/恥で彼を覆われた。〔セラ

 

 89:47 いつまで、主よ、隠れておられるのですか。御怒りは永遠に火と燃え続けるのですか。

 

 89:48 心に留めてください/わたしがどれだけ続くものであるかを/あなたが人の子らをすべて/いかにむなしいものとして創造されたかを。

 

 89:49 命ある人間で、死を見ないものがあるでしょうか。陰府の手から魂を救い出せるものが/ひとりでもあるでしょうか。〔セラ

 

 89:50 主よ、真実をもってダビデに誓われた/あなたの始めからの慈しみは/どこに行ってしまったのでしょうか。

 

 89:51 主よ、御心に留めてください/あなたの僕が辱めを受けていることを/これら強大な民をわたしが胸に耐えていることを。

 

 89:52 彼らは、主よ、あなたの敵であり/彼らは辱めるのです。彼らはあなたの油注がれた者を追って/辱めるのです。

 

 89:53 主をたたえよ、とこしえに。アーメン、アーメン。

 

 

 

88編

 

 88:1 【歌。賛歌。コラの子の詩。指揮者によって。マハラトに合わせて。レアノト。マスキール。エズラ人ヘマンの詩。】

 

 88:2 主よ、わたしを救ってくださる神よ/昼は、助けを求めて叫び/夜も、御前におります。

 

 88:3 わたしの祈りが御もとに届きますように。わたしの声に耳を傾けてください。

 

 88:4 わたしの魂は苦難を味わい尽くし/命は陰府にのぞんでいます。

 

 88:5 穴に下る者のうちに数えられ/力を失った者とされ

 

 88:6 汚れた者と見なされ/死人のうちに放たれて/墓に横たわる者となりました。あなたはこのような者に心を留められません。彼らは御手から切り離されています。

 

 88:7 あなたは地の底の穴にわたしを置かれます/影に閉ざされた所、暗闇の地に。

 

 88:8 あなたの憤りがわたしを押さえつけ/あなたの起こす波がわたしを苦しめます。〔セラ

 

 88:9 あなたはわたしから/親しい者を遠ざけられました。彼らにとってわたしは忌むべき者となりました。わたしは閉じ込められて、出られません。

 

 88:10 苦悩に目は衰え/来る日も来る日も、主よ、あなたを呼び/あなたに向かって手を広げています。

 

 88:11 あなたが死者に対して驚くべき御業をなさったり/死霊が起き上がって/あなたに/感謝したりすることがあるでしょうか。〔セラ

 

 88:12 墓の中であなたの慈しみが/滅びの国であなたのまことが/語られたりするでしょうか。

 

 88:13 闇の中で驚くべき御業が/忘却の地で恵みの御業が/告げ知らされたりするでしょうか。

 

 88:14 主よ、わたしはあなたに叫びます。朝ごとに祈りは御前に向かいます。

 

 88:15 主よ、なぜわたしの魂を突き放し/なぜ御顔をわたしに隠しておられるのですか。

 

 88:16 わたしは若い時から苦しんで来ました。今は、死を待ちます。あなたの怒りを身に負い、絶えようとしています。

 

 88:17 あなたの憤りがわたしを圧倒し/あなたを恐れてわたしは滅びます。

 

 88:18 それは大水のように/絶え間なくわたしの周りに渦巻き/いっせいに襲いかかります。

 

 

 88:19 愛する者も友も/あなたはわたしから遠ざけてしまわれました。今、わたしに親しいのは暗闇だけです。

87編

 

 87:1 【コラの子の詩。賛歌。歌。】聖なる山に基を置き

 

 87:2 主がヤコブのすべての住まいにまさって愛される/シオンの城門よ。

 

 87:3 神の都よ/あなたの栄光について人々は語る。〔セラ

 

 87:4 「わたしはラハブとバビロンの名を/わたしを知る者の名と共に挙げよう。見よ、ペリシテ、ティルス、クシュをも/この都で生まれた、と書こう。

 

 87:5 シオンについて、人々は言うであろう/この人もかの人もこの都で生まれた、と。」いと高き神御自身がこれを固く定められる。

 

 87:6 主は諸国の民を数え、書き記される/この都で生まれた者、と。〔セラ

 

 

 87:7 歌う者も踊る者も共に言う/「わたしの源はすべてあなたの中にある」と。

86編

 

 86:1 【祈り。ダビデの詩。】主よ、わたしに耳を傾け、答えてください。わたしは貧しく、身を屈めています。

 

 86:2 わたしの魂をお守りください/わたしはあなたの慈しみに生きる者。あなたの僕をお救いください/あなたはわたしの神/わたしはあなたに依り頼む者。

 

 86:3 主よ、憐れんでください/絶えることなくあなたを呼ぶわたしを。

 

 86:4 あなたの僕の魂に喜びをお与えください。わたしの魂が慕うのは/主よ、あなたなのです。

 

 86:5 主よ、あなたは恵み深く、お赦しになる方。あなたを呼ぶ者に/豊かな慈しみをお与えになります。

 

 86:6 主よ、わたしの祈りをお聞きください。嘆き祈るわたしの声に耳を向けてください。

 

 86:7 苦難の襲うときわたしが呼び求めれば/あなたは必ず答えてくださるでしょう。

 

 86:8 主よ、あなたのような神は神々のうちになく/あなたの御業に並ぶものはありません。

 

 86:9 主よ、あなたがお造りになった国々はすべて/御前に進み出て伏し拝み、御名を尊びます。

 

 86:10 あなたは偉大な神/驚くべき御業を成し遂げられる方/ただあなたひとり、神。

 

 86:11 主よ、あなたの道をお教えください。わたしはあなたのまことの中を歩みます。御名を畏れ敬うことができるように/一筋の心をわたしにお与えください。

 

 86:12 主よ、わたしの神よ/心を尽くしてあなたに感謝をささげ/とこしえに御名を尊びます。

 

 86:13 あなたの慈しみはわたしを超えて大きく/深い陰府から/わたしの魂を救い出してくださいます。

 

 86:14 神よ、傲慢な者がわたしに逆らって立ち/暴虐な者の一党がわたしの命を求めています。彼らはあなたを自分たちの前に置いていません。

 

 86:15 主よ、あなたは情け深い神/憐れみに富み、忍耐強く/慈しみとまことに満ちておられる。

 

 86:16 わたしに御顔を向け、憐れんでください。御力をあなたの僕に分け与え/あなたのはしための子をお救いください。

 

 86:17 良いしるしをわたしに現してください。それを見て/わたしを憎む者は恥に落とされるでしょう。主よ、あなたは必ずわたしを助け/力づけてくださいます。

 

85編

 

 85:1 【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】

 

 85:2 主よ、あなたは御自分の地をお望みになり/ヤコブの捕われ人を連れ帰ってくださいました。

 

 85:3 御自分の民の罪を赦し/彼らの咎をすべて覆ってくださいました。〔セラ

 

 85:4 怒りをことごとく取り去り/激しい憤りを静められました。

 

 85:5 わたしたちの救いの神よ/わたしたちのもとにお帰りください。わたしたちのための苦悩を静めてください。

 

 85:6 あなたはとこしえにわたしたちを怒り/その怒りを代々に及ぼされるのですか。

 

 85:7 再びわたしたちに命を得させ/あなたの民があなたによって/喜び祝うようにしてくださらないのですか。

 

 85:8 主よ、慈しみをわたしたちに示し/わたしたちをお救いください。

 

 85:9 わたしは神が宣言なさるのを聞きます。主は平和を宣言されます/御自分の民に、主の慈しみに生きる人々に/彼らが愚かなふるまいに戻らないように。

 

 85:10 主を畏れる人に救いは近く/栄光はわたしたちの地にとどまるでしょう。

 

 85:11 慈しみとまことは出会い/正義と平和は口づけし

 

 85:12 まことは地から萌えいで/正義は天から注がれます。

 

 85:13 主は必ず良いものをお与えになり/わたしたちの地は実りをもたらします。

 

 

 85:14 正義は御前を行き/主の進まれる道を備えます。

84編

 

 84:1 【指揮者によって。ギティトに合わせて。コラの子の詩。賛歌。】

 

 84:2 万軍の主よ、あなたのいますところは/どれほど愛されていることでしょう。

 

 84:3 主の庭を慕って、わたしの魂は絶え入りそうです。命の神に向かって、わたしの身も心も叫びます。

 

 84:4 あなたの祭壇に、鳥は住みかを作り/つばめは巣をかけて、雛を置いています。万軍の主、わたしの王、わたしの神よ。

 

 84:5 いかに幸いなことでしょう/あなたの家に住むことができるなら/まして、あなたを賛美することができるなら。〔セラ

 

 84:6 いかに幸いなことでしょう/あなたによって勇気を出し/心に広い道を見ている人は。

 

 84:7 嘆きの谷を通るときも、そこを泉とするでしょう。雨も降り、祝福で覆ってくれるでしょう。

 

 84:8 彼らはいよいよ力を増して進み/ついに、シオンで神にまみえるでしょう。

 

 84:9 万軍の神、主よ、わたしの祈りを聞いてください。ヤコブの神よ、耳を傾けてください。〔セラ

 

 84:10 神よ、わたしたちが盾とする人を御覧になり/あなたが油注がれた人を顧みてください。

 

 84:11 あなたの庭で過ごす一日は千日にまさる恵みです。主に逆らう者の天幕で長らえるよりは/わたしの神の家の門口に立っているのを選びます。

 

 84:12 主は太陽、盾。神は恵み、栄光。完全な道を歩く人に主は与え/良いものを拒もうとはなさいません。

 

 

 84:13 万軍の主よ、あなたに依り頼む人は/いかに幸いなことでしょう。

83編

 

 83:1 【歌。賛歌。アサフの詩。】

 

 83:2 神よ、沈黙しないでください。黙していないでください。静まっていないでください。

 

 83:3 御覧ください、敵が騒ぎ立っています。あなたを憎む者は頭を上げています。

 

 83:4 あなたの民に対して巧みな謀をめぐらし/あなたの秘蔵の民に対して共謀しています。

 

 83:5 彼らは言います/「あの民を国々の間から断とう。イスラエルの名が/再び思い起こされることのないように」と。

 

 83:6 彼らは心をひとつにして謀り/あなたに逆らって、同盟を結んでいます。

 

 83:7 天幕に住むエドム人/イシュマエル人、モアブ、ハガル人。

 

 83:8 ゲバル、アンモン、アマレク/ペリシテとティルスの住民。

 

 83:9 アッシリアもそれに加わり/ロトの子らに腕を貸しています。〔セラ

 

 83:10 これらの民に対しても、なさってください/あなたが、かつてミディアンになさったように/キション川のほとりで/シセラとヤビンになさったように。

 

 83:11 エン・ドルで彼らは滅ぼされ/大地の肥やしとされました。

 

 83:12 これらの民の貴族をオレブとゼエブのように/王侯らをゼバとツァルムナのようにしてください。

 

 83:13 彼らは言います/「神の住まいを我らのものにしよう」と。

 

 83:14 わたしの神よ、彼らを車の輪のように/風に巻かれる藁のようにしてください。

 

 83:15 火の手が林を焼くように/炎が山々をなめるように

 

 83:16 あなたの嵐によって彼らを追い/あなたのつむじ風によって恐れさせてください。

 

 83:17 彼らの顔が侮りで覆われるなら/彼らは主の御名を求めるようになるでしょう。

 

 83:18 彼らが永久に恥じ、恐れ/嘲りを受けて、滅びますように。

 

 83:19 彼らが悟りますように/あなたの御名は主/ただひとり/全地を超えて、いと高き神であることを。

 

 

82編

 

 82:1 【賛歌。アサフの詩。】神は神聖な会議の中に立ち/神々の間で裁きを行われる。

 

 82:2 「いつまであなたたちは不正に裁き/神に逆らう者の味方をするのか。〔セラ

 

 82:3 弱者や孤児のために裁きを行い/苦しむ人、乏しい人の正しさを認めよ。

 

 82:4 弱い人、貧しい人を救い/神に逆らう者の手から助け出せ。」

 

 82:5 彼らは知ろうとせず、理解せず/闇の中を行き来する。地の基はことごとく揺らぐ。

 

 82:6 わたしは言った/「あなたたちは神々なのか/皆、いと高き方の子らなのか」と。

 

 82:7 しかし、あなたたちも人間として死ぬ。君侯のように、いっせいに没落する。

 

 

 82:8 神よ、立ち上がり、地を裁いてください。あなたはすべての民を嗣業とされるでしょう。

81編

 

 81:1 【指揮者によって。ギティトに合わせて。アサフの詩。】

 

 81:2 わたしたちの力の神に向かって喜び歌い/ヤコブの神に向かって喜びの叫びをあげよ。

 

 81:3 ほめ歌を高くうたい、太鼓を打ち鳴らし/琴と竪琴を美しく奏でよ。

 

 81:4 角笛を吹き鳴らせ/新月、満月、わたしたちの祭りの日に。

 

 81:5 これはイスラエルに対する掟/ヤコブの神が命じられたこと。

 

 81:6 エジプトの地を攻められたとき/ヨセフに授けられた定め。わたしは思いがけない言葉を聞くことになった。

 

 81:7 「わたしが、彼の肩の重荷を除き/籠を手から取り去る。

 

 81:8 わたしは苦難の中から呼び求めるあなたを救い/雷鳴に隠れてあなたに答え/メリバの水のほとりであなたを試した。〔セラ

 

 81:9 わたしの民よ、聞け、あなたに定めを授ける。イスラエルよ、わたしに聞き従え。

 

 81:10 あなたの中に異国の神があってはならない。あなたは異教の神にひれ伏してはならない。

 

 81:11 わたしが、あなたの神、主。あなたをエジプトの地から導き上った神。口を広く開けよ、わたしはそれを満たそう。

 

 81:12 しかし、わたしの民はわたしの声を聞かず/イスラエルはわたしを求めなかった。

 

 81:13 わたしは頑な心の彼らを突き放し/思いのままに歩かせた。

 

 81:14 わたしの民がわたしに聞き従い/イスラエルがわたしの道に歩む者であったなら

 

 81:15 わたしはたちどころに彼らの敵を屈服させ/彼らを苦しめる者の上に手を返すであろうに。」

 

 81:16 主を憎む者が主に屈服し/この運命が永劫に続くように。

 

 

 81:17 主は民を最良の小麦で養ってくださる。「わたしは岩から蜜を滴らせて/あなたを飽かせるであろう。」

80編

 

 80:1 【指揮者によって。「ゆり」に合わせて。定め。アサフの詩。賛歌。】

 

 80:2 イスラエルを養う方/ヨセフを羊の群れのように導かれる方よ/御耳を傾けてください。ケルビムの上に座し、顕現してください

 

 80:3 エフライム、ベニヤミン、マナセの前に。目覚めて御力を振るい/わたしたちを救うために来てください。

 

 80:4 神よ、わたしたちを連れ帰り/御顔の光を輝かせ/わたしたちをお救いください。

 

 80:5 万軍の神、主よ、あなたの民は祈っています。いつまで怒りの煙をはき続けられるのですか。

 

 80:6 あなたは涙のパンをわたしたちに食べさせ/なお、三倍の涙を飲ませられます。

 

 80:7 わたしたちは近隣の民のいさかいの的とされ/敵はそれを嘲笑います。

 

 80:8 万軍の神よ、わたしたちを連れ帰り/御顔の光を輝かせ/わたしたちをお救いください。

 

 80:9 あなたはぶどうの木をエジプトから移し/多くの民を追い出して、これを植えられました。

 

 80:10 そのために場所を整え、根付かせ/この木は地に広がりました。

 

 80:11 その陰は山々を覆い/枝は神々しい杉をも覆いました。

 

 80:12 あなたは大枝を海にまで/若枝を大河にまで届かせられました。

 

 80:13 なぜ、あなたはその石垣を破られたのですか。通りかかる人は皆、摘み取って行きます。

 

 80:14 森の猪がこれを荒らし/野の獣が食い荒らしています。

 

 80:15 万軍の神よ、立ち帰ってください。天から目を注いで御覧ください。このぶどうの木を顧みてください

 

 80:16 あなたが右の御手で植えられた株を/御自分のために強くされた子を。

 

 80:17 それを切り、火に焼く者らは/御前に咎めを受けて滅ぼされますように。

 

 80:18 御手があなたの右に立つ人の上にあり/御自分のために強められた/人の子の上にありますように。

 

 80:19 わたしたちはあなたを離れません。命を得させ、御名を呼ばせてください。

 

 80:20 万軍の神、主よ、わたしたちを連れ帰り/御顔の光を輝かせ/わたしたちをお救いください。

 

 

79編

 

 79:1 【賛歌。アサフの詩。】神よ、異国の民があなたの嗣業を襲い/あなたの聖なる神殿を汚し/エルサレムを瓦礫の山としました。

 

 79:2 あなたの僕らの死体を空の鳥の餌とし/あなたの慈しみに生きた人々の肉を/地の獣らの餌としました。

 

 79:3 彼らは、エルサレムの周囲に/この人々の血を水のように流します。葬る者もありません。

 

 79:4 わたしたちは近隣の民に辱められ/周囲の民に嘲られ、そしられています。

 

 79:5 主よ、いつまで続くのでしょう。あなたは永久に憤っておられるのでしょうか。あなたの激情は火と燃え続けるのでしょうか。

 

 79:6 御怒りを注いでください/あなたを知ろうとしない異国の民の上に/あなたの御名を呼び求めない国々の上に。

 

 79:7 彼らはヤコブを食いものにし/その住みかを荒廃させました。

 

 79:8 どうか、わたしたちの昔の悪に御心を留めず/御憐れみを速やかに差し向けてください。わたしたちは弱り果てました。

 

 79:9 わたしたちの救いの神よ、わたしたちを助けて/あなたの御名の栄光を輝かせてください。御名のために、わたしたちを救い出し/わたしたちの罪をお赦しください。

 

 79:10 どうして異国の民に言わせてよいでしょうか/「彼らの神はどこにいる」と。あなたの僕らの注ぎ出された血に対する報復を/異国の民の中で、わたしたちが/目の前に見ることができますように。

 

 79:11 捕われ人の嘆きが御前に届きますように。御腕の力にふさわしく/死に定められている人々を/生き長らえさせてください。

 

 79:12 主よ、近隣の民のふところに/あなたを辱めた彼らの辱めを/七倍にして返してください。

 

 

 79:13 わたしたちはあなたの民/あなたに養われる羊の群れ。とこしえに、あなたに感謝をささげ/代々に、あなたの栄誉を語り伝えます。

78編

 

 78:1 【マスキール。アサフの詩。】わたしの民よ、わたしの教えを聞き/わたしの口の言葉に耳を傾けよ。

 

 78:2 わたしは口を開いて箴言を/いにしえからの言い伝えを告げよう

 

 78:3 わたしたちが聞いて悟ったこと/先祖がわたしたちに語り伝えたことを。

 

 78:4 子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう/主への賛美、主の御力を/主が成し遂げられた驚くべき御業を。

 

 78:5 主はヤコブの中に定めを与え/イスラエルの中に教えを置き/それを子孫に示すように/わたしたちの先祖に命じられた。

 

 78:6 子らが生まれ、後の世代が興るとき/彼らもそれを知り/その子らに語り継がなければならない。

 

 78:7 子らが神に信頼をおき/神の御業を決して忘れず/その戒めを守るために

 

 78:8 先祖のように/頑な反抗の世代とならないように/心が確かに定まらない世代/神に不忠実な霊の世代とならないように。

 

 78:9 エフライムの子らは武装し/弓を射る者であったが/闘いの日に、裏切った。

 

 78:10 彼らは神との契約を守らず/その教えに従って歩むことを拒み

 

 78:11 その御業をことごとく忘れた/彼らに示された驚くべき御業を。

 

 78:12 エジプトの地、ツォアンの野で/神は先祖に対して不思議な御業を行い

 

 78:13 海を開いて彼らを渡らせる間/水をせきとめておかれた。

 

 78:14 昼は雲をもって/夜は燃え続ける火の光をもって彼らを導かれた。

 

 78:15 荒れ野では岩を開き/深淵のように豊かな水を飲ませてくださった。

 

 78:16 岩から流れを引き出されたので/水は大河のように流れ下った。

 

 78:17 彼らは重ねて罪を犯し/砂漠でいと高き方に反抗した。

 

 78:18 心のうちに神を試み/欲望のままに食べ物を得ようとし

 

 78:19 神に対してつぶやいて言った。「荒れ野で食卓を整えることが/神にできるのだろうか。

 

 78:20 神が岩を打てば水がほとばしり出て/川となり、溢れ流れるが/民にパンを与えることができるだろうか/肉を用意することができるだろうか。」

 

 78:21 主はこれを聞いて憤られた。火はヤコブの中に燃え上がり/怒りはイスラエルの中に燃えさかった。

 

 78:22 彼らは神を信じようとせず/御救いに依り頼まなかった。

 

 78:23 それでもなお、神は上から雲に命じ/天の扉を開き

 

 78:24 彼らの上にマナを降らせ、食べさせてくださった。神は天からの穀物をお与えになり

 

 78:25 人は力ある方のパンを食べた。神は食べ飽きるほどの糧を送られた。

 

 78:26 神は東風を天から送り/御力をもって南風を起こし

 

 78:27 彼らの上に肉を塵のように降らせ/翼ある鳥を海辺の砂のように降らせ

 

 78:28 彼らの陣営の中に/宿る所の周りに落としてくださった。

 

 78:29 彼らは食べて飽き足りた。神は彼らの欲望を満たしてくださった。

 

 78:30 彼らが欲望から離れず/食べ物が口の中にあるうちに

 

 78:31 神の怒りが彼らの中に燃えさかり/その肥え太った者を殺し/イスラエルの若者たちを倒した。

 

 78:32 それにもかかわらず、彼らはなお罪を犯し/驚くべき御業を信じなかったので

 

 78:33 神は彼らの生涯をひと息のうちに/彼らの年月を恐怖のうちに断とうとされた。

 

 78:34 神が彼らを殺そうとされると/彼らは神を求め、立ち帰って、神を捜し求めた。

 

 78:35 「神は岩、いと高き神は贖い主」と唱えながらも

 

 78:36 その口をもって神を侮り/舌をもって欺いた。

 

 78:37 彼らの心は神に対して確かに定まらず/その契約に忠実ではなかった。

 

 78:38 しかし、神は憐れみ深く、罪を贖われる。彼らを滅ぼすことなく、繰り返し怒りを静め/憤りを尽くされることはなかった。

 

 78:39 神は御心に留められた/人間は肉にすぎず/過ぎて再び帰らない風であることを。

 

 78:40 どれほど彼らは荒れ野で神に反抗し/砂漠で御心を痛めたことか。

 

 78:41 繰り返し神を試み/イスラエルの聖なる方を傷つけ

 

 78:42 御手の力を思わず/敵の手から贖われた日を思い起こさなかった。

 

 78:43 神はエジプトで多くのしるしを与え/ツォアンの野で奇跡を示された。

 

 78:44 川の水を血に変えられたので/その流れは飲めなくなった。

 

 78:45 あぶを送って彼らに食いつかせ/蛙を送って荒廃させられた。

 

 78:46 作物をいなごの群れに与え/労して得たものをいなごに与えられた。

 

 78:47 神はぶどうの木を雹で打ち/いちじく桑を霜で枯らし

 

 78:48 家畜を雹に渡し/その群れを稲妻に渡された。

 

 78:49 神は燃える怒りと憤りを/激しい怒りと苦しみを/災いの使いとして彼らの中に送られた。

 

 78:50 神は御怒りを現す道を備え/彼らの魂を死に渡して惜しまず/彼らの命を疫病に渡し

 

 78:51 エジプトのすべての初子を/ハムの天幕において/力の最初の実りを打たれた。

 

 78:52 神は御自分の民を羊のように導き出し/荒れ野で家畜の群れのように導かれた。

 

 78:53 彼らは信頼して導かれ、恐れることはなかった。海が彼らの敵を覆った。

 

 78:54 神は彼らを御自分の聖地の境にまで導かれた。右の御手をもって得られたその山に。

 

 78:55 彼らの前から諸国の民を追い払い/彼らの嗣業を測り縄で定め/イスラエルの諸部族を/それぞれの天幕に住まわせられた。

 

 78:56 彼らはいと高き神を試み/反抗し、その定めを守らず

 

 78:57 先祖と同じように背き、裏切り/欺く弓で射た矢のようにそれて行き

 

 78:58 異教の祭壇に仕えて神を怒らせ/偶像を拝んで神の激情を引き起こした。

 

 78:59 神は聞いて憤り/イスラエルを全く拒み

 

 78:60 シロの聖所、人によって張られた幕屋を捨て

 

 78:61 御力の箱がとりこになるにまかせ/栄光の輝きを敵の手に渡された。

 

 78:62 神は御自分の民を剣に渡し/御自分の嗣業に怒りを注がれた。

 

 78:63 火は若者をなめ尽くし/おとめは喜びを奪われ

 

 78:64 祭司は剣に倒れ/やもめは嘆くことすらしなかった。

 

 78:65 主は、眠りから覚めた人のように/酔いから覚めた勇士のように奮い立ち

 

 78:66 敵を撃って退かせ/とこしえに嘲られるものとされた。

 

 78:67 主はヨセフの天幕を拒み/エフライム族を選ばず

 

 78:68 ユダ族と、愛するシオンの山を選び

 

 78:69 御自分の聖所を高い天のように建て/とこしえの基を据えた地のように建てられた。

 

 78:70 僕ダビデを選び、羊のおりから彼を取り

 

 78:71 乳を飲ませている羊の後ろから取って/御自分の民ヤコブを/御自分の嗣業イスラエルを養う者とされた。

 

 

 78:72 彼は無垢な心をもって彼らを養い/英知に満ちた手をもって導いた。

77編

 

 77:1 【指揮者によって。エドトンに合わせて。アサフの詩。賛歌。】

 

 77:2 神に向かってわたしは声をあげ/助けを求めて叫びます。神に向かってわたしは声をあげ/神はわたしに耳を傾けてくださいます。

 

 77:3 苦難の襲うとき、わたしは主を求めます。夜、わたしの手は疲れも知らず差し出され/わたしの魂は慰めを受け入れません。

 

 77:4 神を思い続けて呻き/わたしの霊は悩んでなえ果てます。〔セラ

 

 77:5 あなたはわたしのまぶたをつかんでおられます。心は騒ぎますが、わたしは語りません。

 

 77:6 いにしえの日々をわたしは思います/とこしえに続く年月を。

 

 77:7 夜、わたしの歌を心に思い続け/わたしの霊は悩んで問いかけます。

 

 77:8 「主はとこしえに突き放し/再び喜び迎えてはくださらないのか。

 

 77:9 主の慈しみは永遠に失われたのであろうか。約束は代々に断たれてしまったのであろうか。

 

 77:10 神は憐れみを忘れ/怒って、同情を閉ざされたのであろうか。」〔セラ

 

 77:11 わたしは言います。「いと高き神の右の御手は変わり/わたしは弱くされてしまった。

 77:12 わたしは主の御業を思い続け/いにしえに、あなたのなさった奇跡を思い続け

 

 77:13 あなたの働きをひとつひとつ口ずさみながら/あなたの御業を思いめぐらします。

 

 77:14 神よ、あなたの聖なる道を思えば/あなたのようにすぐれた神はあるでしょうか。

 

 77:15 あなたは奇跡を行われる神/諸国の民の中に御力を示されました。

 

 77:16 御腕をもって御自分の民を/ヤコブとヨセフの子らを贖われました。〔セラ

 

 77:17 大水はあなたを見た。神よ、大水はあなたを見て、身もだえし/深淵はおののいた。

 

 77:18 雨雲は水を注ぎ/雲は声をあげた。あなたの矢は飛び交い

 

 77:19 あなたの雷鳴は車のとどろきのよう。稲妻は世界を照らし出し/地はおののき、震えた。

 

 77:20 あなたの道は海の中にあり/あなたの通られる道は大水の中にある。あなたの踏み行かれる跡を知る者はない。

 

 

 77:21 あなたはモーセとアロンの手をとおして/羊の群れのように御自分の民を導かれました。

76編

 

 76:1 【指揮者によって。伴奏付き。賛歌。アサフの詩。歌。】

 

 76:2 神はユダに御自らを示され/イスラエルに御名の大いなることを示される。

 

 76:3 神の幕屋はサレムにあり/神の宮はシオンにある。

 

 76:4 そこにおいて、神は弓と火の矢を砕き/盾と剣を、そして戦いを砕かれる。〔セラ

 

 76:5 あなたが、餌食の山々から/光を放って力強く立たれるとき

 

 76:6 勇敢な者も狂気のうちに眠り/戦士も手の力を振るいえなくなる。

 

 76:7 ヤコブの神よ、あなたが叱咤されると/戦車も馬も深い眠りに陥る。

 

 76:8 あなたこそ、あなたこそ恐るべき方。怒りを発せられるとき、誰が御前に立ちえよう。

 

 76:9 あなたは天から裁きを告知し/地は畏れて鎮まる。

 

 76:10 神は裁きを行うために立ち上がり/地の貧しい人をすべて救われる。〔セラ

 

 76:11 怒り猛る者もあなたを認める/あなたが激しい怒りの名残を帯とされるとき。

 

 76:12 あなたたちの神、主に誓いを立て、それを果たせ。取り囲むすべての民は/恐るべき方に貢ぎ物をもたらすがよい。

 

 

 76:13 地の王たちの畏れる方は/支配者の霊をも断たれるであろう。

75編

 

 75:1 【指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。賛歌。アサフの詩。歌。】

 

 75:2 あなたに感謝をささげます。神よ、あなたに感謝をささげます。御名はわたしたちの近くにいまし/人々は驚くべき御業を物語ります。

 

 75:3 「わたしは必ず時を選び、公平な裁きを行う。

 

 75:4 地はそこに住むすべてのものと共に/溶け去ろうとしている。しかし、わたしは自ら地の柱を固める。〔セラ

 

 75:5 わたしは驕る者たちに、驕るなと言おう。逆らう者に言おう、角をそびやかすなと。

 

 75:6 お前たちの角を高くそびやかすな。胸を張って断言するな。」

 

 75:7 そうです、人を高く上げるものは/東からも西からも、荒れ野からも来ません。

 

 75:8 神が必ず裁きを行い/ある者を低く、ある者を高くなさるでしょう。

 

 75:9 すでに杯は主の御手にあり/調合された酒が泡立っています。主はこれを注がれます。この地の逆らう者は皆、それを飲み/おりまで飲み干すでしょう。

 

 75:10 わたしはとこしえにこのことを語り継ぎ/ヤコブの神にほめ歌をささげます。

 

 75:11 「わたしは逆らう者の角をことごとく折り/従う者の角を高く上げる。」

 

 

 

74編

 

 74:1 【マスキール。アサフの詩。】神よ、なぜあなたは/養っておられた羊の群れに怒りの煙をはき/永遠に突き放してしまわれたのですか。

 

 74:2 どうか、御心に留めてください/すでにいにしえから御自分のものとし/御自分の嗣業の部族として贖われた会衆を/あなたのいます所であったこのシオンの山を。

 

 74:3 永遠の廃虚となったところに足を向けてください。敵は聖所のすべてに災いをもたらしました。

 

 74:4 あなたに刃向かう者は、至聖所の中でほえ猛り/自分たちのしるしをしるしとして立てました。

 

 74:5 彼らが木の茂みの中を/斧を携えて上るのが見えると

 

 74:6 ただちに手斧、まさかりを振るって/彫り物の飾りをすべて打ち壊し

 

 74:7 あなたの聖所に火をかけ/御名の置かれた所を地に引き倒して汚しました。

 

 74:8 「すべて弾圧せねばならない」と心に言って/この地にある神の会堂をすべて焼き払いました。

 

 74:9 わたしたちのためのしるしは見えません。今は預言者もいません。いつまで続くのかを知る者もありません。

 

 74:10 神よ、刃向かう者はいつまで嘲るのでしょうか。敵は永久にあなたの御名を侮るのでしょうか。

 

 74:11 なぜ、手を引いてしまわれたのですか/右の御手は、ふところに入れられたまま。

 

 74:12 しかし神よ、いにしえよりのわたしの王よ/この地に救いの御業を果たされる方よ。

 

 74:13 あなたは、御力をもって海を分け/大水の上で竜の頭を砕かれました。

 

 74:14 レビヤタンの頭を打ち砕き/それを砂漠の民の食糧とされたのもあなたです。

 

 74:15 あなたは、泉や川を開かれましたが/絶えることのない大河の水を涸らされました。

 

 74:16 あなたは、太陽と光を放つ物を備えられました。昼はあなたのもの、そして夜もあなたのものです。

 

 74:17 あなたは、地の境をことごとく定められました。夏と冬を造られたのもあなたです。

 

 74:18 主よ、御心に留めてください、敵が嘲るのを/神を知らぬ民があなたの御名を侮るのを。

 

 74:19 あなたの鳩の魂を獣に渡さないでください。あなたの貧しい人々の命を/永遠に忘れ去らないでください。

 

 74:20 契約を顧みてください。地の暗い隅々には/不法の住みかがひしめいています。

 

 74:21 どうか、虐げられた人が再び辱められることなく/貧しい人、乏しい人が/御名を賛美することができますように。

 

 74:22 神よ、立ち上がり/御自分のために争ってください。神を知らぬ者が絶えずあなたを嘲っているのを/御心に留めてください。

 

 

 74:23 あなたに刃向かう者のあげる声/あなたに立ち向かう者の常に起こす騒ぎを/どうか、決して忘れないでください。

73編

 

 73:1 【賛歌。アサフの詩。】神はイスラエルに対して/心の清い人に対して、恵み深い。

 

 73:2 それなのにわたしは、あやうく足を滑らせ/一歩一歩を踏み誤りそうになっていた。

 

 73:3 神に逆らう者の安泰を見て/わたしは驕る者をうらやんだ。

 

 73:4 死ぬまで彼らは苦しみを知らず/からだも肥えている。

 

 73:5 だれにもある労苦すら彼らにはない。だれもがかかる病も彼らには触れない。

 

 73:6 傲慢は首飾りとなり/不法は衣となって彼らを包む。

 

 73:7 目は脂肪の中から見まわし/心には悪だくみが溢れる。

 

 73:8 彼らは侮り、災いをもたらそうと定め/高く構え、暴力を振るおうと定める。

 

 73:9 口を天に置き/舌は地を行く。

 

 73:10 (民がここに戻っても/水を見つけることはできないであろう。)

 

 73:11 そして彼らは言う。「神が何を知っていようか。いと高き神にどのような知識があろうか。」

 

 73:12 見よ、これが神に逆らう者。とこしえに安穏で、財をなしていく。

 

 73:13 わたしは心を清く保ち/手を洗って潔白を示したが、むなしかった。

 

 73:14 日ごと、わたしは病に打たれ/朝ごとに懲らしめを受ける。

 

 73:15 「彼らのように語ろう」と望んだなら/見よ、あなたの子らの代を/裏切ることになっていたであろう。

 

 73:16 わたしの目に労苦と映ることの意味を/知りたいと思い計り

 

 73:17 ついに、わたしは神の聖所を訪れ/彼らの行く末を見分けた

 

 73:18 あなたが滑りやすい道を彼らに対して備え/彼らを迷いに落とされるのを

 

 73:19 彼らを一瞬のうちに荒廃に落とし/災難によって滅ぼし尽くされるのを

 

 73:20 わが主よ、あなたが目覚め/眠りから覚めた人が夢を侮るように/彼らの偶像を侮られるのを。

 

 73:21 わたしは心が騒ぎ/はらわたの裂ける思いがする。

 

 73:22 わたしは愚かで知識がなく/あなたに対して獣のようにふるまっていた。

 

 73:23 あなたがわたしの右の手を取ってくださるので/常にわたしは御もとにとどまることができる。

 

 73:24 あなたは御計らいに従ってわたしを導き/後には栄光のうちにわたしを取られるであろう。

 

 73:25 地上であなたを愛していなければ/天で誰がわたしを助けてくれようか。

 

 73:26 わたしの肉もわたしの心も朽ちるであろうが/神はとこしえにわたしの心の岩/わたしに与えられた分。

 

 73:27 見よ、あなたを遠ざかる者は滅びる。御もとから迷い去る者をあなたは絶たれる。

 

 

 73:28 わたしは、神に近くあることを幸いとし/主なる神に避けどころを置く。わたしは御業をことごとく語り伝えよう。

2

 

 72:1 【ソロモンの詩。】神よ、あなたによる裁きを、王に/あなたによる恵みの御業を、王の子に/お授けください。

 

 72:2 王が正しくあなたの民の訴えを取り上げ/あなたの貧しい人々を裁きますように。

 

 72:3 山々が民に平和をもたらし/丘が恵みをもたらしますように。

 

 72:4 王が民を、この貧しい人々を治め/乏しい人の子らを救い/虐げる者を砕きますように。

 

 72:5 王が太陽と共に永らえ/月のある限り、代々に永らえますように。

 

 72:6 王が牧場に降る雨となり/地を潤す豊かな雨となりますように。

 

 72:7 生涯、神に従う者として栄え/月の失われるときまでも/豊かな平和に恵まれますように。

 

 72:8 王が海から海まで/大河から地の果てまで、支配しますように。

 

 72:9 砂漠に住む者が彼の前に身を屈め/敵が塵をなめますように。

 

 72:10 タルシシュや島々の王が献げ物を/シェバやセバの王が貢ぎ物を納めますように。

 

 72:11 すべての王が彼の前にひれ伏し/すべての国が彼に仕えますように。

 

 72:12 王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を/助けるものもない貧しい人を救いますように。

 

 72:13 弱い人、乏しい人を憐れみ/乏しい人の命を救い

 

 72:14 不法に虐げる者から彼らの命を贖いますように。王の目に彼らの血が貴いものとされますように。

 

 72:15 王が命を得ますように。彼にシェバの黄金がささげられますように。彼のために人々が常に祈り/絶え間なく彼を祝福しますように。

 

 72:16 この地には、一面に麦が育ち/山々の頂にまで波打ち/その実りはレバノンのように豊かで/町には人が地の青草ほどにも茂りますように。

 

 72:17 王の名がとこしえに続き/太陽のある限り、その名が栄えますように。国々の民は皆、彼によって祝福を受け/彼を幸いな人と呼びますように。

 

 72:18 主なる神をたたえよ/イスラエルの神/ただひとり驚くべき御業を行う方を。

 

 72:19 栄光に輝く御名をとこしえにたたえよ/栄光は全地を満たす。アーメン、アーメン。

 

 

 72:20 エッサイの子ダビデの祈りの終り。

71編

 

 71:1 主よ、御もとに身を寄せます。とこしえに恥に落とすことなく

 

 71:2 恵みの御業によって助け、逃れさせてください。あなたの耳をわたしに傾け、お救いください。

 

 71:3 常に身を避けるための住まい、岩となり/わたしを救おうと定めてください。あなたはわたしの大岩、わたしの砦。

 

 71:4 わたしの神よ、あなたに逆らう者の手から/悪事を働く者、不法を働く者の手から/わたしを逃れさせてください。

 

 71:5 主よ、あなたはわたしの希望。主よ、わたしは若いときからあなたに依り頼み

 

 71:6 母の胎にあるときから/あなたに依りすがって来ました。あなたは母の腹から/わたしを取り上げてくださいました。わたしは常にあなたを賛美します。

 

 71:7 多くの人はわたしに驚きます。あなたはわたしの避けどころ、わたしの砦。

 

 71:8 わたしの口は賛美に満ち/絶えることなくあなたの輝きをたたえます。

 

 71:9 老いの日にも見放さず/わたしに力が尽きても捨て去らないでください。

 

 71:10 敵がわたしのことを話し合い/わたしの命をうかがう者が共に謀り

 

 71:11 言っています/「神が彼を捨て去ったら、追い詰めて捕えよう。彼を助ける者はもういない」と。

 

 71:12 神よ、わたしを遠く離れないでください。わたしの神よ、今すぐわたしをお助けください。

 

 71:13 わたしの魂に敵対する者が/恥に落とされ、滅ぼされますように。わたしが災いに遭うことを求める者が/嘲りと辱めに包まれますように。

 

 71:14 わたしは常に待ち望み/繰り返し、あなたを賛美します。

 

 71:15 わたしの口は恵みの御業を/御救いを絶えることなく語り/なお、決して語り尽くすことはできません。

 

 71:16 しかし主よ、わたしの主よ/わたしは力を奮い起こして進みいで/ひたすら恵みの御業を唱えましょう。

 

 71:17 神よ、わたしの若いときから/あなた御自身が常に教えてくださるので/今に至るまでわたしは/驚くべき御業を語り伝えて来ました。

 

 71:18 わたしが老いて白髪になっても/神よ、どうか捨て去らないでください。御腕の業を、力強い御業を/来るべき世代に語り伝えさせてください。

 

 71:19 神よ、恵みの御業は高い天に広がっています。あなたはすぐれた御業を行われました。神よ、誰があなたに並びえましょう。

 

 71:20 あなたは多くの災いと苦しみを/わたしに思い知らせられましたが/再び命を得させてくださるでしょう。地の深い淵から/再び引き上げてくださるでしょう。

 

 71:21 ひるがえって、わたしを力づけ/すぐれて大いなるものとしてくださるでしょう。

 

 71:22 わたしもまた、わたしの神よ/琴に合わせてあなたのまことに感謝をささげます。イスラエルの聖なる方よ/わたしは竪琴に合わせてほめ歌をうたいます。

 

 71:23 わたしの唇は喜びの声をあげ/あなたが贖ってくださったこの魂は/あなたにほめ歌をうたいます。

 

 71:24 わたしの舌は絶えることなく/恵みの御業を歌います。わたしが災いに遭うことを望む者が/どうか、恥と辱めに落とされますように。

 

 

70編

 

 70:1 【指揮者によって。ダビデの詩。記念。】

 

 70:2 神よ、速やかにわたしを救い出し/主よ、わたしを助けてください。

 

 70:3 わたしの命をねらう者が/恥を受け、嘲られ/わたしを災いに遭わせようと望む者が/侮られて退き

 70:4 はやし立てる者が/恥を受けて逃げ去りますように。

 

 70:5 あなたを尋ね求める人が/あなたによって喜び祝い、楽しみ/御救いを愛する人が/神をあがめよといつも歌いますように。

 

 

 70:6 神よ、わたしは貧しく、身を屈めています。速やかにわたしを訪れてください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。主よ、遅れないでください。

69編

 

 69:1 【指揮者によって。「ゆり」に合わせて。ダビデの詩。】

 

 69:2 神よ、わたしを救ってください。大水が喉元に達しました。

 

 69:3 わたしは深い沼にはまり込み/足がかりもありません。大水の深い底にまで沈み/奔流がわたしを押し流します。

 

 69:4 叫び続けて疲れ、喉は涸れ/わたしの神を待ち望むあまり/目は衰えてしまいました。

 

 69:5 理由もなくわたしを憎む者は/この頭の髪よりも数多く/いわれなくわたしに敵意を抱く者/滅ぼそうとする者は力を増して行きます。わたしは自分が奪わなかったものすら/償わねばなりません。

 

 69:6 神よ、わたしの愚かさは、よくご存じです。罪過もあなたには隠れもないことです。

 

 69:7 万軍の主、わたしの神よ/あなたに望みをおく人々が/わたしを恥としませんように。イスラエルの神よ/あなたを求める人々が/わたしを屈辱としませんように。

 

 69:8 わたしはあなたゆえに嘲られ/顔は屈辱に覆われています。

 

 69:9 兄弟はわたしを失われた者とし/同じ母の子らはわたしを異邦人とします。

 

 69:10 あなたの神殿に対する熱情が/わたしを食い尽くしているので/あなたを嘲る者の嘲りが/わたしの上にふりかかっています。

 

 69:11 わたしが断食して泣けば/そうするからといって嘲られ

 

 69:12 粗布を衣とすれば/それもわたしへの嘲りの歌になります。

 

 69:13 町の門に座る人々はわたしを非難し/強い酒に酔う者らはわたしのことを歌います。

 

 69:14 あなたに向かってわたしは祈ります。主よ、御旨にかなうときに/神よ、豊かな慈しみのゆえに/わたしに答えて確かな救いをお与えください。

 

 69:15 泥沼にはまり込んだままにならないように/わたしを助け出してください。わたしを憎む者から/大水の深い底から助け出してください

 

 69:16 奔流がわたしを押し流すことのないように/深い沼がわたしをひと呑みにしないように/井戸がわたしの上に口を閉ざさないように。

 

 69:17 恵みと慈しみの主よ、わたしに答えてください/憐れみ深い主よ、御顔をわたしに向けてください。

 

 69:18 あなたの僕に御顔を隠すことなく/苦しむわたしに急いで答えてください。

 

 69:19 わたしの魂に近づき、贖い/敵から解放してください。

 

 69:20 わたしが受けている嘲りを/恥を、屈辱を、あなたはよくご存じです。わたしを苦しめる者は、すべて御前にいます。

 

 69:21 嘲りに心を打ち砕かれ/わたしは無力になりました。望んでいた同情は得られず/慰めてくれる人も見いだせません。

 

 69:22 人はわたしに苦いものを食べさせようとし/渇くわたしに酢を飲ませようとします。

 

 69:23 どうか、彼らの食卓が彼ら自身に罠となり/仲間には落とし穴となりますように。

 

 69:24 彼らの目を暗くして/見ることができないようにし/腰は絶えず震えるようにしてください。

 

 69:25 あなたの憤りを彼らに注ぎ/激しい怒りで圧倒してください。

 

 69:26 彼らの宿営は荒れ果て/天幕には住む者もなくなりますように。

 

 69:27 あなたに打たれた人を、彼らはなおも迫害し/あなたに刺し貫かれた人の痛みを話の種にします。

 

 69:28 彼らの悪には悪をもって報い/恵みの御業に/彼らを決してあずからせないでください。

 

 69:29 命の書から彼らを抹殺してください。あなたに従う人々に並べて/そこに書き記さないでください。

 

 69:30 わたしは卑しめられ、苦痛の中にあります。神よ、わたしを高く上げ、救ってください。

 

 69:31 神の御名を賛美してわたしは歌い/御名を告白して、神をあがめます。

 

 69:32 それは雄牛のいけにえよりも/角をもち、ひづめの割れた牛よりもなお/主に喜ばれることでしょう。

 

 69:33 貧しい人よ、これを見て喜び祝え。神を求める人々には/健やかな命が与えられますように。

 

 69:34 主は乏しい人々に耳を傾けてくださいます。主の民の捕われ人らを/決しておろそかにはされないでしょう。

 

 69:35 天よ地よ、主を賛美せよ/海も、その中にうごめくものもすべて。

 

 69:36 神は必ずシオンを救い/ユダの町々を再建してくださる。彼らはその地に住み、その地を継ぐ。

 

 

 69:37 主の僕らの子孫はそこを嗣業とし/御名を愛する人々はその地に住み着く。

68編

 

 68:1 【指揮者によって。ダビデの詩。賛歌。歌。】

 

 68:2 神は立ち上がり、敵を散らされる。神を憎む者は御前から逃げ去る。

 

 68:3 煙は必ず吹き払われ、蝋は火の前に溶ける。神に逆らう者は必ず御前に滅び去る。

 

 68:4 神に従う人は誇らかに喜び祝い/御前に喜び祝って楽しむ。

 

 68:5 神に向かって歌え、御名をほめ歌え。雲を駆って進む方に道を備えよ。その名を主と呼ぶ方の御前に喜び勇め。

 

 68:6 神は聖なる宮にいます。みなしごの父となり/やもめの訴えを取り上げてくださる。

 

 68:7 神は孤独な人に身を寄せる家を与え/捕われ人を導き出して清い所に住ませてくださる。背く者は焼けつく地に住まねばならない。

 

 68:8 神よ、あなたが民を導き出し/荒れ果てた地を行進されたとき〔セラ

 

 68:9 地は震え、天は雨を滴らせた/シナイにいます神の御前に/神、イスラエルの神の御前に。

 

 68:10 神よ、あなたは豊かに雨を賜り/あなたの衰えていた嗣業を固く立てて

 

 68:11 あなたの民の群れをその地に住ませてくださった。恵み深い神よ/あなたは貧しい人にその地を備えられた。

 

 68:12 主は約束をお与えになり/大勢の女たちが良い知らせを告げる

 

 68:13 「王たちは軍勢と共に逃げ散る、逃げ散る」と。家にいる美しい女も戦利品を分けている。

 

 68:14 あなたたちは二つの鞍袋の間に横たわるのか。鳩の翼は銀に、羽は黄金に被われている。

 

 68:15 全能者が王たちを散らされるとき/ツァルモン山に雪が降るであろう。

 

 68:16 神々しい山、バシャンの山/峰を連ねた山、バシャンの山

 

 68:17 峰を連ねた山よ、なぜ、うかがうのか/神が愛して御自分の座と定められた山を/主が永遠にお住みになる所を。

 

 68:18 神の戦車は幾千、幾万/主はそのただ中にいます。シナイの神は聖所にいます。

 

 68:19 主よ、神よ/あなたは高い天に上り、人々をとりことし/人々を貢ぎ物として取り、背く者も取られる。

彼らはそこに住み着かせられる。

 

 68:20 主をたたえよ/日々、わたしたちを担い、救われる神を。〔セラ

 

 68:21 この神はわたしたちの神、救いの御業の神/主、死から解き放つ神。

 

 68:22 神は必ず御自分の敵の頭を打ち/咎のうちに歩み続ける者の/髪に覆われた頭を打たれる。

 

 68:23 主は言われる。「バシャンの山からわたしは連れ帰ろう。海の深い底から連れ帰ろう。

 

 68:24 あなたは敵を打って足をその血に浸し/あなたの犬も分け前として敵の血に舌を浸す。」

 

 68:25 神よ、あなたの行進が見える。わたしの神、わたしの王は聖所に行進される。

 

 68:26 歌い手を先頭に、続いて楽を奏する者/おとめらの中には太鼓を打つ者。

 

 68:27 聖歌隊によって神をたたえよ/イスラエルの源からの主を。

 

 68:28 若いベニヤミンがそこで彼らを統率する。ユダの君侯らは彼らの指導者/ゼブルンの君侯ら、ナフタリの君侯らもいる。

 

 68:29 あなたの神は命じられる/あなたが力を帯びることを。神よ、力を振るってください/わたしたちのために行動を起こしてください。

 

 68:30 あなたの神殿からエルサレムの上に。あなたのもとに王たちは献げ物を携えて来ます。

 

 68:31 叱咤してください、葦の茂みに住む獣を/諸国の民を子牛のように伴う猛牛の一群を/銀の品々を踏みにじるものを。闘いを望む国々の民を散らしてください。

 

 68:32 エジプトから青銅の品々が到来し/クシュは、神に向かって手を伸べる。

 

 68:33 地の王国よ、共に神に向かって歌い/主にほめ歌をうたえ〔セラ

 

 68:34 いにしえよりの高い天を駆って進む方に。神は御声を、力強い御声を発せられる。

 

 68:35 力を神に帰せよ。神の威光はイスラエルの上にあり/神の威力は雲の彼方にある。

 

 68:36 神よ、あなたは聖所にいまし、恐るべき方。イスラエルの神は御自分の民に力と権威を賜る。神をたたえよ。

 

 

67編

 

 67:1 【指揮者によって。伴奏付き。賛歌。歌。】

 

 67:2 神がわたしたちを憐れみ、祝福し/御顔の輝きを/わたしたちに向けてくださいますように〔セラ

 

 67:3 あなたの道をこの地が知り/御救いをすべての民が知るために。

 

 67:4 神よ、すべての民が/あなたに感謝をささげますように。すべての民が、こぞって/あなたに感謝をささげますように。

 

 67:5 諸国の民が喜び祝い、喜び歌いますように/あなたがすべての民を公平に裁き/この地において諸国の民を導かれることを。〔セラ

 

 67:6 神よ、すべての民が/あなたに感謝をささげますように。すべての民が、こぞって/あなたに感謝をささげますように。

 

 67:7 大地は作物を実らせました。神、わたしたちの神が/わたしたちを祝福してくださいますように。

 

 

 67:8 神がわたしたちを祝福してくださいますように。地の果てに至るまで/すべてのものが神を畏れ敬いますように。

66編

 

 66:1 【指揮者によって。歌。賛歌。】全地よ、神に向かって喜びの叫びをあげよ。

 

 66:2 御名の栄光をほめ歌え。栄光に賛美を添えよ。

 

 66:3 神に向かって歌え/「御業はいかに恐るべきものでしょう。御力は強く、敵はあなたに服します。

 

 66:4 全地はあなたに向かってひれ伏し/あなたをほめ歌い/御名をほめ歌います」と。〔セラ

 

 66:5 来て、神の御業を仰げ/人の子らになされた恐るべき御業を。

 

 66:6 神は海を変えて乾いた地とされた。人は大河であったところを歩いて渡った。それゆえ、我らは神を喜び祝った。

 

 66:7 神はとこしえに力強く支配し/御目は国々を見渡す。背く者は驕ることを許されない。〔セラ

 

 66:8 諸国の民よ、我らの神を祝し/賛美の歌声を響かせよ。

 

 66:9 神は我らの魂に命を得させてくださる。我らの足がよろめくのを許されない。

 

 66:10 神よ、あなたは我らを試みられた。銀を火で練るように我らを試された。

 

 66:11 あなたは我らを網に追い込み/我らの腰に枷をはめ

 

 66:12 人が我らを駆り立てることを許された。我らは火の中、水の中を通ったが/あなたは我らを導き出して/豊かな所に置かれた。

 

 66:13 わたしは献げ物を携えて神殿に入り/満願の献げ物をささげます。

 

 66:14 わたしが苦難の中で唇を開き/この口をもって誓ったように

 

 66:15 肥えた獣をささげ、香りと共に雄羊を/雄山羊と共に雄牛を焼き尽くしてささげます。〔セラ

 

 66:16 神を畏れる人は皆、聞くがよい/わたしに成し遂げてくださったことを物語ろう。

 

 66:17 神に向かってわたしの口は声をあげ/わたしは舌をもってあがめます。

 

 66:18 わたしが心に悪事を見ているなら/主は聞いてくださらないでしょう。

 

 66:19 しかし、神はわたしの祈る声に耳を傾け/聞き入れてくださいました。

 

 

 66:20 神をたたえよ。神はわたしの祈りを退けることなく/慈しみを拒まれませんでした。

65編

 

 65:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。歌。】

 

 65:2 沈黙してあなたに向かい、賛美をささげます。シオンにいます神よ。あなたに満願の献げ物をささげます。

 

 65:3 祈りを聞いてくださる神よ/すべて肉なるものはあなたのもとに来ます。

 

 65:4 罪の数々がわたしを圧倒します。背いたわたしたちを/あなたは贖ってくださいます。

 

 65:5 いかに幸いなことでしょう/あなたに選ばれ、近づけられ/あなたの庭に宿る人は。恵みの溢れるあなたの家、聖なる神殿によって/わたしたちが満ち足りますように。

 

 65:6 わたしたちの救いの神よ/あなたの恐るべき御業が/わたしたちへのふさわしい答えでありますように。遠い海、地の果てに至るまで/すべてのものがあなたに依り頼みます。

 

 65:7 御力をもって山々を固く据え/雄々しさを身に帯びておられる方。

 

 65:8 大海のどよめき、波のどよめき/諸国の民の騒ぎを鎮める方。

 

 65:9 お与えになる多くのしるしを見て/地の果てに住む民は畏れ敬い/朝と夕べの出で立つところには/喜びの歌が響きます。

 

 65:10 あなたは地に臨んで水を与え/豊かさを加えられます。神の水路は水をたたえ、地は穀物を備えます。あなたがそのように地を備え

 

 65:11 畝を潤し、土をならし/豊かな雨を注いで柔らかにし/芽生えたものを祝福してくださるからです。

 

 65:12 あなたは豊作の年を冠として地に授けられます。あなたの過ぎ行かれる跡には油が滴っています。

 

 65:13 荒れ野の原にも滴り/どの丘も喜びを帯とし

 

 

 65:14 牧場は羊の群れに装われ/谷は麦に覆われています。ものみな歌い、喜びの叫びをあげています。

64編

 

 64:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 64:2 神よ、悩み訴えるわたしの声をお聞きください。敵の脅威からわたしの命をお守りください。

 64:3 わたしを隠してください/さいなむ者の集いから、悪を行う者の騒ぎから。

  

 64:4 彼らは舌を鋭い剣とし/毒を含む言葉を矢としてつがえ

 

 64:5 隠れた所から無垢な人を射ようと構え/突然射かけて、恐れもしません。

 

 64:6 彼らは悪事にたけ、共謀して罠を仕掛け/「見抜かれることはない」と言います。

 

 64:7 巧妙に悪を謀り/「我らの謀は巧妙で完全だ。人は胸に深慮を隠す」と言います。

 

 64:8 神は彼らに矢を射かけ/突然、彼らは討たれるでしょう。

 

 64:9 自分の舌がつまずきのもとになり/見る人は皆、頭を振って侮るでしょう。

 

 64:10 人は皆、恐れて神の働きを認め/御業に目覚めるでしょう。

 

 

 64:11 主に従う人は主を避けどころとし、喜び祝い/心のまっすぐな人は皆、主によって誇ります。

63編

 

 63:1 【賛歌。ダビデの詩。ダビデがユダの荒れ野にいたとき。】

 

 63:2 神よ、あなたはわたしの神。わたしはあなたを捜し求め/わたしの魂はあなたを渇き求めます。あなたを待って、わたしのからだは/乾ききった大地のように衰え/水のない地のように渇き果てています。

 

 63:3 今、わたしは聖所であなたを仰ぎ望み/あなたの力と栄えを見ています。

 

 63:4 あなたの慈しみは命にもまさる恵み。わたしの唇はあなたをほめたたえます。

 

 63:5 命のある限り、あなたをたたえ/手を高く上げ、御名によって祈ります。

 

 63:6 わたしの魂は満ち足りました/乳と髄のもてなしを受けたように。わたしの唇は喜びの歌をうたい/わたしの口は賛美の声をあげます。

 

 63:7 床に就くときにも御名を唱え/あなたへの祈りを口ずさんで夜を過ごします。

 

 63:8 あなたは必ずわたしを助けてくださいます。あなたの翼の陰でわたしは喜び歌います。

 

 63:9 わたしの魂はあなたに付き従い/あなたは右の御手でわたしを支えてくださいます。

 

 63:10 わたしの命を奪おうとする者は必ず滅ぼされ/陰府の深みに追いやられますように。

 

 63:11 剣にかかり、山犬の餌食となりますように。

 

 

 63:12 神によって、王は喜び祝い/誓いを立てた者は誇りますように。偽って語る口は、必ず閉ざされますように。

62編

 

 62:1 【指揮者によって。エドトンに合わせて。賛歌。ダビデの詩。】

 

 62:2 わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。神にわたしの救いはある。

 

 62:3 神こそ、わたしの岩、わたしの救い、砦の塔。わたしは決して動揺しない。

 

 62:4 お前たちはいつまで人に襲いかかるのか。亡きものにしようとして一団となり/人を倒れる壁、崩れる石垣とし

 

 62:5 人が身を起こせば、押し倒そうと謀る。常に欺こうとして/口先で祝福し、腹の底で呪う。〔セラ

 

 62:6 わたしの魂よ、沈黙して、ただ神に向かえ。神にのみ、わたしは希望をおいている。

 

 62:7 神はわたしの岩、わたしの救い、砦の塔。わたしは動揺しない。

 

 62:8 わたしの救いと栄えは神にかかっている。力と頼み、避けどころとする岩は神のもとにある。

 

 62:9 民よ、どのような時にも神に信頼し/御前に心を注ぎ出せ。神はわたしたちの避けどころ。〔セラ

 

 62:10 人の子らは空しいもの。人の子らは欺くもの。共に秤にかけても、息よりも軽い。

 

 62:11 暴力に依存するな。搾取を空しく誇るな。力が力を生むことに心を奪われるな。

 

 62:12 ひとつのことを神は語り/ふたつのことをわたしは聞いた/力は神のものであり

 

 

 62:13 慈しみは、わたしの主よ、あなたのものである、と/ひとりひとりに、その業に従って/あなたは人間に報いをお与えになる、と。

61編

 

 61:1 【指揮者によって。伴奏付き。ダビデの詩。】

 

 61:2 神よ、わたしの叫びを聞き/わたしの祈りに耳を傾けてください。

 

 61:3 心が挫けるとき/地の果てからあなたを呼びます。高くそびえる岩山の上に/わたしを導いてください。

 

 61:4 あなたは常にわたしの避けどころ/敵に対する力強い塔となってくださいます。

 

 61:5 あなたの幕屋にわたしはとこしえに宿り/あなたの翼を避けどころとして隠れます。〔セラ

 

 61:6 神よ、あなたは必ずわたしの誓願を聞き取り/御名を畏れる人に/継ぐべきものをお与えになります。

 

 61:7 王の日々になお日々を加え/その年月を代々に永らえさせてください。

 

 61:8 王が神の前にあってとこしえの王座につき/慈しみとまことに守られますように。

 

 61:9 わたしは永遠にあなたの御名をほめ歌い/日ごとに満願の献げ物をささげます。

 

 

 

60編

 

 60:1 【指揮者によって。「ゆり」に合わせて。定め。ミクタム。ダビデの詩。教え。

 

 60:2 ダビデがアラム・ナハライムおよびツォバのアラムと戦い、ヨアブが帰って来て塩の谷で一万二千人のエドム人を討ち取ったとき。】

 

 60:3 神よ、あなたは我らを突き放し/怒って我らを散らされた。どうか我らを立ち帰らせてください。

 

 60:4 あなたは大地を揺るがせ、打ち砕かれた。どうか砕かれたところを癒してください/大地は動揺しています。

 

 60:5 あなたは御自分の民に辛苦を思い知らせ/よろめき倒れるほど、辛苦の酒を飲ませられた。

 

 60:6 あなたを畏れる人に対してそれを警告とし/真理を前にして/その警告を受け入れるようにされた。〔セラ

 

 60:7 あなたの愛する人々が助け出されるように/右の御手でお救いください。それを我らへの答えとしてください。

 

 60:8 神は聖所から宣言された。「わたしは喜び勇んでシケムを分配しよう。スコトの野を測量しよう。

 

 60:9 ギレアドはわたしのもの/マナセもわたしのもの/エフライムはわたしの頭の兜/ユダはわたしの采配

 

 60:10 モアブはわたしのたらい。エドムにわたしの履物を投げ/ペリシテにわたしの叫びを響かせよう。」

 

 60:11 包囲された町に/誰がわたしを導いてくれるのか。エドムに、誰がわたしを先導してくれるのか。

 

 60:12 神よ、あなたは我らを突き放されたのか。神よ、あなたは/我らと共に出陣してくださらないのか。

 

 60:13 どうか我らを助け、敵からお救いください。人間の与える救いはむなしいものです。

 

 

 60:14 神と共に我らは力を振るいます。神が敵を踏みにじってくださいます。

59編

 

 59:1 【指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。サウルがダビデを殺そうと、人を遣わして家を見張らせたとき。】

 

 59:2 わたしの神よ、わたしを敵から助け出し/立ち向かう者からはるかに高く置いてください。

 

 59:3 悪を行う者から助け出し/流血の罪を犯す者から救ってください。

 

 59:4 御覧ください、主よ/力ある者がわたしの命をねらって待ち伏せし/争いを仕掛けて来ます。罪もなく過ちもなく

 

 59:5 悪事をはたらいたこともないわたしを/打ち破ろうとして身構えています。目覚めてわたしに向かい、御覧ください。

 

 59:6 あなたは主、万軍の神、イスラエルの神。目を覚まし、国々を罰してください。悪を行う者、欺く者を容赦しないでください。〔セラ

 

 59:7 夕べになると彼らは戻って来て/犬のようにほえ、町を巡ります。

 

 59:8 御覧ください、彼らの口は剣を吐きます。その唇の言葉を誰が聞くに堪えるでしょう。

 

 59:9 しかし主よ、あなたは彼らを笑い/国々をすべて嘲笑っておられます。

 

 59:10 わたしの力よ、あなたを見張って待ちます。まことに神はわたしの砦の塔。

 

 59:11 神はわたしに慈しみ深く、先立って進まれます。わたしを陥れようとする者を/神はわたしに支配させてくださいます。

 

 59:12 彼らを殺してしまわないでください/御力が彼らを動揺させ屈服させることを/わたしの民が忘れることのないように。わたしたちの盾、主よ。

 

 59:13 口をもって犯す過ち、唇の言葉、傲慢の罠に/自分の唱える呪いや欺く言葉の罠に/彼らが捕えられますように。

 

 59:14 御怒りによって彼らを絶やし/絶やして、ひとりも残さないでください。そのとき、人は知るでしょう/神はヤコブを支配する方/地の果てまでも支配する方であることを。〔セラ

 

 59:15 夕べになると彼らは戻って来て/犬のようにほえ、町を巡ります。

 

 59:16 彼らは餌食を求めてさまよい/食べ飽きるまでは眠ろうとしません。

 

 59:17 わたしは御力をたたえて歌をささげ/朝には、あなたの慈しみを喜び歌います。あなたはわたしの砦の塔、苦難の日の逃れ場。

 

 59:18 わたしの力と頼む神よ/あなたにほめ歌をうたいます。神はわたしの砦の塔。慈しみ深いわたしの神よ。 

58編

 

 58:1 【指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。】

 

 58:2 しかし、お前たちは正しく語り/公平な裁きを行っているというのか/人の子らよ。

 

 58:3 いや、お前たちはこの地で/不正に満ちた心をもってふるまい/お前たちの手は不法を量り売りしている。

 

 58:4 神に逆らう者は/母の胎にあるときから汚らわしく/欺いて語る者は/母の腹にあるときから迷いに陥っている。

 

 58:5 蛇の毒にも似た毒を持ち/耳の聞こえないコブラのように耳をふさいで

 

 58:6 蛇使いの声にも/巧みに呪文を唱える者の呪文にも従おうとしない。

 

 58:7 神が彼らの口から歯を抜き去ってくださるように。主が獅子の牙を折ってくださるように。

 

 58:8 彼らは水のように捨てられ、流れ去るがよい。神の矢に射られて衰え果て

 

 58:9 なめくじのように溶け/太陽を仰ぐことのない流産の子となるがよい。

 

 58:10 鍋が柴の炎に焼けるよりも速く/生きながら、怒りの炎に巻き込まれるがよい。

 

 58:11 神に従う人はこの報復を見て喜び/神に逆らう者の血で足を洗うであろう。

 

 58:12 人は言う。「神に従う人は必ず実を結ぶ。神はいます。神はこの地を裁かれる。」

 

 

57編

 

 57:1 【指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。ダビデがサウルを逃れて洞窟にいたとき。】

 

 57:2 憐れんでください/神よ、わたしを憐れんでください。わたしの魂はあなたを避けどころとし/災いの過ぎ去るまで/あなたの翼の陰を避けどころとします。

 

 57:3 いと高き神を呼びます/わたしのために何事も成し遂げてくださる神を。

 

 57:4 天から遣わしてください/神よ、遣わしてください、慈しみとまことを。わたしを踏みにじる者の嘲りから/わたしを救ってください。〔セラ

 

 57:5 わたしの魂は獅子の中に/火を吐く人の子らの中に伏しています。彼らの歯は槍のように、矢のように/舌は剣のように、鋭いのです。

 

 57:6 神よ、天の上に高くいまし/栄光を全地に輝かせてください。

 

 57:7 わたしの魂は屈み込んでいました。彼らはわたしの足もとに網を仕掛け/わたしの前に落とし穴を掘りましたが/その中に落ち込んだのは彼ら自身でした。〔セラ

 

 57:8 わたしは心を確かにします。神よ、わたしは心を確かにして/あなたに賛美の歌をうたいます。

 

 57:9 目覚めよ、わたしの誉れよ/目覚めよ、竪琴よ、琴よ。わたしは曙を呼び覚まそう。

 

 57:10 主よ、諸国の民の中でわたしはあなたに感謝し/国々の中でほめ歌をうたいます。

 

 57:11 あなたの慈しみは大きく、天に満ち/あなたのまことは大きく、雲を覆います。

 

 

 57:12 神よ、天の上に高くいまし/栄光を全地に輝かせてください。

56編

 

 56:1 【指揮者によって。「はるかな沈黙の鳩」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。ダビデがガトでペリシテ人に捕えられたとき。】

 

 56:2 神よ、わたしを憐れんでください。わたしは人に踏みにじられています。戦いを挑む者が絶えることなくわたしを虐げ

 

 56:3 陥れようとする者が/絶えることなくわたしを踏みにじります。高くいます方よ/多くの者がわたしに戦いを挑みます。

 

 56:4 恐れをいだくとき/わたしはあなたに依り頼みます。

 

 56:5 神の御言葉を賛美します。神に依り頼めば恐れはありません。肉にすぎない者が/わたしに何をなしえましょう。

 

 56:6 わたしの言葉はいつも苦痛となります。人々はわたしに対して災いを謀り

 

 56:7 待ち構えて争いを起こし/命を奪おうとして後をうかがいます。

 

 56:8 彼らの逃れ場は偶像にすぎません。神よ、怒りを発し/諸国の民を屈服させてください。

 

 56:9 あなたはわたしの嘆きを数えられたはずです。あなたの記録に/それが載っているではありませんか。あなたの革袋にわたしの涙を蓄えてください。

 

 56:10 神を呼べば、敵は必ず退き/神はわたしの味方だとわたしは悟るでしょう。

 

 56:11 神の御言葉を賛美します。主の御言葉を賛美します。

 

 56:12 神に依り頼めば恐れはありません。人間がわたしに何をなしえましょう。

 

 56:13 神よ、あなたに誓ったとおり/感謝の献げ物をささげます。

 

 

 56:14 あなたは死からわたしの魂を救い/突き落とされようとしたわたしの足を救い/命の光の中に/神の御前を歩かせてくださいます。

55編

 

 55:1 【指揮者によって。伴奏付き。マスキール。ダビデの詩。】

 

 55:2 神よ、わたしの祈りに耳を向けてください。嘆き求めるわたしから隠れないでください。

 

 55:3 わたしに耳を傾け、答えてください。わたしは悩みの中にあってうろたえています。わたしは不安です。

 

 55:4 敵が声をあげ、神に逆らう者が迫ります。彼らはわたしに災いをふりかからせようとし/憤って襲いかかります。

 

 55:5 胸の中で心はもだえ/わたしは死の恐怖に襲われています。

 

 55:6 恐れとわななきが湧き起こり/戦慄がわたしを覆い

 

 55:7 わたしは言います。「鳩の翼がわたしにあれば/飛び去って、宿を求め

 

 55:8 はるかに遠く逃れて/荒れ野で夜を過ごすことができるのに。〔セラ

 

 55:9 烈しい風と嵐を避け/急いで身を隠すことができるのに。」

 

 55:10 主よ、彼らを絶やしてください。彼らの舌は分裂を引き起こしています。わたしには確かに見えます/都に不法と争いのあることが。

 

 55:11 それらは昼も夜も、都の城壁の上を巡り/町中には災いと労苦が

 

 55:12 町中には滅びがあります。広場からは搾取と詐欺が去りません。

 

 55:13 わたしを嘲る者が敵であれば/それに耐えもしよう。わたしを憎む者が尊大にふるまうのであれば/彼を避けて隠れもしよう。

 

 55:14 だが、それはお前なのだ。わたしと同じ人間、わたしの友、知り合った仲。

 

 55:15 楽しく、親しく交わり/神殿の群衆の中を共に行き来したものだった。

 

 55:16 死に襲われるがよい/生きながら陰府に下ればよい/住まいに、胸に、悪を蓄えている者は。

 

 55:17 わたしは神を呼ぶ。主はわたしを救ってくださる。

 

 55:18 夕べも朝も、そして昼も、わたしは悩んで呻く。神はわたしの声を聞いてくださる。

 

 55:19 闘いを挑む多くの者のただ中から/わたしの魂を贖い出し、平和に守ってくださる。

 

 55:20 神はわたしの声を聞き、彼らを低くされる。神はいにしえからいまし〔セラ/変わることはない。その神を畏れることなく

 

 55:21 彼らは自分の仲間に手を下し、契約を汚す。

 

 55:22 口は脂肪よりも滑らかに語るが/心には闘いの思いを抱き/言葉は香油よりも優しいが、抜き身の剣に等しい。

 

 55:23 あなたの重荷を主にゆだねよ/主はあなたを支えてくださる。主は従う者を支え/とこしえに動揺しないように計らってくださる。

 

 

 55:24 神よ、あなた御自身で/滅びの穴に追い落としてください/欺く者、流血の罪を犯す者を。彼らが人生の半ばにも達しませんように。わたしはあなたに依り頼みます。

54編

 

 54:1 【指揮者によって。伴奏付き。マスキール。ダビデの詩。

 

 54:2 ジフ人が来て、サウルに「ダビデがわたしたちのもとに隠れている」と話したとき。】

 

 54:3 神よ、御名によってわたしを救い/力強い御業によって、わたしを裁いてください。

 

 54:4 神よ、わたしの祈りを聞き/この口にのぼる願いに耳を傾けてください。

 

 54:5 異邦の者がわたしに逆らって立ち/暴虐な者がわたしの命をねらっています。彼らは自分の前に神を置こうとしないのです。〔セラ

 

 54:6 見よ、神はわたしを助けてくださる。主はわたしの魂を支えてくださる。

 

 54:7 わたしを陥れようとする者に災いを報い/あなたのまことに従って/彼らを絶やしてください。

 

 54:8 主よ、わたしは自ら進んでいけにえをささげ/恵み深いあなたの御名に感謝します。

 

 54:9 主は苦難から常に救い出してくださいます。わたしの目が敵を支配しますように。

 

 

53編

 

 53:1 【指揮者によって。マハラトに合わせて。マスキール。ダビデの詩。】

 

 53:2 神を知らぬ者は心に言う/「神などない」と。人々は腐敗している。忌むべき行いをする。善を行う者はいない。

 

 53:3 神は天から人の子らを見渡し、探される/目覚めた人、神を求める人はいないか、と。

 

 53:4 だれもかれも背き去った。皆ともに、汚れている。善を行う者はいない。ひとりもいない。

 

 53:5 悪を行う者は知っているはずではないか/パンを食らうかのようにわたしの民を食らい/神を呼び求めることをしない者よ。

 

 53:6 それゆえにこそ、大いに恐れるがよい/かつて、恐れたこともなかった者よ。あなたに対して陣を敷いた者の骨を/神はまき散らされた。神は彼らを退けられ、あなたは彼らを辱めた。

 

 

 53:7 どうか、イスラエルの救いが/シオンから起こるように。神が御自分の民、捕われ人を連れ帰られるとき/ヤコブは喜び躍り/イスラエルは喜び祝うであろう。

52編

 

 52:1 【指揮者によって。マスキール。ダビデの詩。

 

 52:2 エドム人ドエグがサウルのもとに来て、「ダビデがアヒメレクの家に来た」と告げたとき。】

 

 52:3 力ある者よ、なぜ悪事を誇るのか。神の慈しみの絶えることはないが

 

 52:4 お前の考えることは破滅をもたらす。舌は刃物のように鋭く、人を欺く。

 

 52:5 お前は善よりも悪を/正しい言葉よりもうそを好み〔セラ

 

 52:6 人を破滅に落とす言葉、欺く舌を好む。

 

 52:7 神はお前を打ち倒し、永久に滅ぼされる。お前を天幕から引き抜き/命ある者の地から根こそぎにされる。〔セラ

 

 52:8 これを見て、神に従う人は神を畏れる。彼らはこの男を笑って言う。

 

 52:9 「見よ、この男は神を力と頼まず/自分の莫大な富に依り頼み/自分を滅ぼすものを力と頼んでいた。」

 

 52:10 わたしは生い茂るオリーブの木。神の家にとどまります。世々限りなく、神の慈しみに依り頼みます。

 

 

 52:11 あなたが計らってくださいますから/とこしえに、感謝をささげます。御名に望みをおきます/あなたの慈しみに生きる人に対して恵み深い/あなたの御名に。

51編

 

 51:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。

 

 51:2 ダビデがバト・シェバと通じたので預言者ナタンがダビデのもとに来たとき。】

 

 51:3 神よ、わたしを憐れんでください/御慈しみをもって。深い御憐れみをもって/背きの罪をぬぐってください。

 

 51:4 わたしの咎をことごとく洗い/罪から清めてください。

 

 51:5 あなたに背いたことをわたしは知っています。わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。

 

 51:6 あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し/御目に悪事と見られることをしました。あなたの言われることは正しく/あなたの裁きに誤りはありません。

 

 51:7 わたしは咎のうちに産み落とされ/母がわたしを身ごもったときも/わたしは罪のうちにあったのです。

 51:8 あなたは秘儀ではなくまことを望み/秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。

 

 51:9 ヒソプの枝でわたしの罪を払ってください/わたしが清くなるように。わたしを洗ってください/雪よりも白くなるように。

 

 51:10 喜び祝う声を聞かせてください/あなたによって砕かれたこの骨が喜び躍るように。

 

 51:11 わたしの罪に御顔を向けず/咎をことごとくぬぐってください。

 

 51:12 神よ、わたしの内に清い心を創造し/新しく確かな霊を授けてください。

 

 51:13 御前からわたしを退けず/あなたの聖なる霊を取り上げないでください。

 

 51:14 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ/自由の霊によって支えてください。

 

 51:15 わたしはあなたの道を教えます/あなたに背いている者に/罪人が御もとに立ち帰るように。

 

 51:16 神よ、わたしの救いの神よ/流血の災いからわたしを救い出してください。恵みの御業をこの舌は喜び歌います。

 

 51:17 主よ、わたしの唇を開いてください/この口はあなたの賛美を歌います。

 

 51:18 もしいけにえがあなたに喜ばれ/焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら/わたしはそれをささげます。

 

 51:19 しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を/神よ、あなたは侮られません。

 

 51:20 御旨のままにシオンを恵み/エルサレムの城壁を築いてください。

 

 

 51:21 そのときには、正しいいけにえも/焼き尽くす完全な献げ物も、あなたに喜ばれ/そのときには、あなたの祭壇に/雄牛がささげられるでしょう。

50編

 

 50:1 【賛歌。アサフの詩。】神々の神、主は、御言葉を発し/日の出るところから日の入るところまで/地を呼び集められる。

 

 50:2 麗しさの極みシオンから、神は顕現される。

 

 50:3 わたしたちの神は来られる/黙してはおられない。御前を火が焼き尽くして行き/御もとには嵐が吹き荒れている。

 

 50:4 神は御自分の民を裁くために/上から天に呼びかけ、また、地に呼びかけられる。

 

 50:5 「わたしの前に集めよ/わたしの慈しみに生きる者を/いけにえを供えてわたしと契約を結んだ者を。」

 

 50:6 天は神の正しいことを告げ知らせる。神は御自ら裁きを行われる。〔セラ

 

 50:7 「わたしの民よ、聞け、わたしは語る。イスラエルよ、わたしはお前を告発する。わたしは神、わたしはお前の神。

 

 50:8 献げ物についてお前を責めはしない。お前の焼き尽くす献げ物は/常にわたしの前に置かれている。

 

 50:9 わたしはお前の家から雄牛を取らず/囲いの中から雄山羊を取ることもしない。

 

 50:10 森の生き物は、すべてわたしのもの/山々に群がる獣も、わたしのもの。

 

 50:11 山々の鳥をわたしはすべて知っている。獣はわたしの野に、わたしのもとにいる。

 

 50:12 たとえ飢えることがあろうとも/お前に言いはしない。世界とそこに満ちているものは/すべてわたしのものだ。

 

 50:13 わたしが雄牛の肉を食べ/雄山羊の血を飲むとでも言うのか。

 

 50:14 告白を神へのいけにえとしてささげ/いと高き神に満願の献げ物をせよ。

 

 50:15 それから、わたしを呼ぶがよい。苦難の日、わたしはお前を救おう。そのことによって/お前はわたしの栄光を輝かすであろう。」

 

 50:16 神は背く者に言われる。「お前はわたしの掟を片端から唱え/わたしの契約を口にする。どういうつもりか。

 

 50:17 お前はわたしの諭しを憎み/わたしの言葉を捨てて顧みないではないか。

 

 50:18 盗人と見ればこれにくみし/姦淫を行う者の仲間になる。

 

 50:19 悪事は口に親しみ/欺きが舌を御している。

 

 50:20 座しては兄弟をそしり/同じ母の子を中傷する。

 

 50:21 お前はこのようなことをしている。わたしが黙していると思うのか。わたしをお前に似たものと見なすのか。罪状をお前の目の前に並べて/わたしはお前を責める。

 

 50:22 神を忘れる者よ、わきまえよ。さもなくば、わたしはお前を裂く。お前を救える者はいない。

 

 50:23 告白をいけにえとしてささげる人は/わたしを栄光に輝かすであろう。道を正す人に/わたしは神の救いを示そう。」

 

 

49編

 

 49:1 【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】

 

 49:2 諸国の民よ、これを聞け/この世に住む者は皆、耳を傾けよ

 

 49:3 人の子らはすべて/豊かな人も貧しい人も。

 

 49:4 わたしの口は知恵を語り/わたしの心は英知を思う。

 

 49:5 わたしは格言に耳を傾け/竪琴を奏でて謎を解く。

 

 49:6 災いのふりかかる日/わたしを追う者の悪意に囲まれるときにも/どうして恐れることがあろうか

 

 49:7 財宝を頼みとし、富の力を誇る者を。

 

 49:8 神に対して、人は兄弟をも贖いえない。神に身代金を払うことはできない。

 

 49:9 魂を贖う値は高く/とこしえに、払い終えることはない。

 

 49:10 人は永遠に生きようか。墓穴を見ずにすむであろうか。

 

 49:11 人が見ることは/知恵ある者も死に/無知な者、愚かな者と共に滅び/財宝を他人に遺さねばならないということ。

 

 49:12 自分の名を付けた地所を持っていても/その土の底だけが彼らのとこしえの家/代々に、彼らが住まう所。

 

 49:13 人間は栄華のうちにとどまることはできない。屠られる獣に等しい。

 

 49:14 これが自分の力に頼る者の道/自分の口の言葉に満足する者の行く末。〔セラ

 

 49:15 陰府に置かれた羊の群れ/死が彼らを飼う。朝になれば正しい人がその上を踏んで行き/誇り高かったその姿を陰府がむしばむ。

 

 49:16 しかし、神はわたしの魂を贖い/陰府の手から取り上げてくださる。〔セラ

 

 49:17 人に富が増し、その家に名誉が加わるときも/あなたは恐れることはない。

 

 49:18 死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず/名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない。

 

 49:19 命のある間に、その魂が祝福され/幸福を人がたたえても

 

 49:20 彼は父祖の列に帰り/永遠に光を見ることはない。

 

 

 49:21 人間は栄華のうちに悟りを得ることはない。屠られる獣に等しい。

48編

 

 48:1 【歌。賛歌。コラの子の詩。】

 

 48:2 大いなる主、限りなく賛美される主。わたしたちの神の都にある聖なる山は

 

 48:3 高く美しく、全地の喜び。北の果ての山、それはシオンの山、力ある王の都。

 

 48:4 その城郭に、砦の塔に、神は御自らを示される。

 

 48:5 見よ、王たちは時を定め、共に進んで来た。

 

 48:6 彼らは見て、ひるみ、恐怖に陥って逃げ去った。

 

 48:7 そのとき彼らを捕えたおののきは/産みの苦しみをする女のもだえ

 

 48:8 東風に砕かれるタルシシュの船。

 

 48:9 聞いていたことをそのまま、わたしたちは見た/万軍の主の都、わたしたちの神の都で。神はこの都をとこしえに固く立てられる。〔セラ

 

 48:10 神よ、神殿にあってわたしたちは/あなたの慈しみを思い描く。

 

 48:11 神よ、賛美は御名と共に地の果てに及ぶ。右の御手には正しさが溢れている。

 

 48:12 あなたの裁きのゆえに/シオンの山は喜び祝い/ユダのおとめらは喜び躍る。

 

 48:13 シオンの周りをひと巡りして見よ。塔の数をかぞえ

 

 48:14 城壁に心を向け、城郭に分け入って見よ。後の代に語り伝えよ

 

 48:15 この神は世々限りなくわたしたちの神/死を越えて、わたしたちを導いて行かれる、と。

 

 

47編

 

 47:1 【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】

 

 47:2 すべての民よ、手を打ち鳴らせ。神に向かって喜び歌い、叫びをあげよ。

 

 47:3 主はいと高き神、畏るべき方/全地に君臨される偉大な王。

 

 47:4 諸国の民を我らに従わせると宣言し/国々を我らの足もとに置かれた。

 

 47:5 我らのために嗣業を選び/愛するヤコブの誇りとされた。〔セラ

 

 47:6 神は歓呼の中を上られる。主は角笛の響きと共に上られる。

 

 47:7 歌え、神に向かって歌え。歌え、我らの王に向かって歌え。

 

 47:8 神は、全地の王/ほめ歌をうたって、告げ知らせよ。

 

 47:9 神は諸国の上に王として君臨される。神は聖なる王座に着いておられる。

 

 

 47:10 諸国の民から自由な人々が集められ/アブラハムの神の民となる。地の盾となる人々は神のもの。神は大いにあがめられる

46編

 

 46:1 【指揮者に合わせて。コラの子の詩。アラモト調。歌。】

 

 46:2 神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。

 

 46:3 わたしたちは決して恐れない/地が姿を変え/山々が揺らいで海の中に移るとも

 

 46:4 海の水が騒ぎ、沸き返り/その高ぶるさまに山々が震えるとも。〔セラ

 

 46:5 大河とその流れは、神の都に喜びを与える/いと高き神のいます聖所に。

 

 46:6 神はその中にいまし、都は揺らぐことがない。夜明けとともに、神は助けをお与えになる。

 

 46:7 すべての民は騒ぎ、国々は揺らぐ。神が御声を出されると、地は溶け去る。

 

 46:8 万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。〔セラ

 

 46:9 主の成し遂げられることを仰ぎ見よう。主はこの地を圧倒される。

 

 46:10 地の果てまで、戦いを断ち/弓を砕き槍を折り、盾を焼き払われる。

 

 46:11 「力を捨てよ、知れ/わたしは神。国々にあがめられ、この地であがめられる。」

 

 

 46:12 万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。〔セラ

45編

 

 45:1 【指揮者によって。「ゆり」に合わせて。コラの子の詩。マスキール。愛の歌。】

 

 45:2 心に湧き出る美しい言葉/わたしの作る詩を、王の前で歌おう。わたしの舌を速やかに物書く人の筆として。

 

 45:3 あなたは人の子らのだれよりも美しく/あなたの唇は優雅に語る。あなたはとこしえに神の祝福を受ける方。

 

 45:4 勇士よ、腰に剣を帯びよ。それはあなたの栄えと輝き。

 

 45:5 輝きを帯びて進め/真実と謙虚と正義を駆って。右の手があなたに恐るべき力をもたらすように。

 

 45:6 あなたの矢は鋭く、王の敵のただ中に飛び/諸国の民はあなたの足もとに倒れる。

 

 45:7 神よ、あなたの王座は世々限りなく/あなたの王権の笏は公平の笏。

 

 45:8 神に従うことを愛し、逆らうことを憎むあなたに/神、あなたの神は油を注がれた/喜びの油を、あなたに結ばれた人々の前で。

 

 45:9 あなたの衣はすべて/ミルラ、アロエ、シナモンの香りを放ち/象牙の宮殿に響く弦の調べはあなたを祝う。

 

 45:10 諸国の王女、あなたがめでる女たちの中から/オフィルの金で身を飾った王妃が/あなたの右に立てられる。

 

 45:11 「娘よ、聞け。耳を傾けて聞き、そしてよく見よ。あなたの民とあなたの父の家を忘れよ。

 

 45:12 王はあなたの美しさを慕う。王はあなたの主。彼の前にひれ伏すがよい。

 

 45:13 ティルスの娘よ、民の豪族は贈り物を携え/あなたが顔を向けるのを待っている。」

 

 45:14 王妃は栄光に輝き、進み入る。晴れ着は金糸の織り

 

 45:15 色糸の縫い取り。彼女は王のもとに導かれて行く/おとめらを伴い、多くの侍女を従えて。

 

 45:16 彼女らは喜び躍りながら導かれて行き/王の宮殿に進み入る。

 

 45:17 あなたには父祖を継ぐ子らが生まれ/あなたは彼らを立ててこの地の君とする。

 

 

 45:18 わたしはあなたの名を代々に語り伝えよう。諸国の民は世々限りなく/あなたに感謝をささげるであろう。

44編

 

 44:1 【指揮者によって。コラの子の詩。マスキール。】

 

 44:2 神よ、我らはこの耳で聞いています/先祖が我らに語り伝えたことを/先祖の時代、いにしえの日に/あなたが成し遂げられた御業を。

 

 44:3 我らの先祖を植え付けるために/御手をもって国々の領土を取り上げ/その枝が伸びるために/国々の民を災いに落としたのはあなたでした。

 

 44:4 先祖が自分の剣によって領土を取ったのでも/自分の腕の力によって勝利を得たのでもなく/あなたの右の御手、あなたの御腕/あなたの御顔の光によるものでした。これがあなたのお望みでした。

 

 44:5 神よ、あなたこそわたしの王。ヤコブが勝利を得るように定めてください。

 

 44:6 あなたに頼って敵を攻め/我らに立ち向かう者を/御名に頼って踏みにじらせてください。

 

 44:7 わたしが依り頼むのは自分の弓ではありません。自分の剣によって勝利を得ようともしていません。

 

 44:8 我らを敵に勝たせ/我らを憎む者を恥に落とすのは、あなたです。

 

 44:9 我らは絶えることなく神を賛美し/とこしえに、御名に感謝をささげます。〔セラ

 

 44:10 しかし、あなたは我らを見放されました。我らを辱めに遭わせ、もはや共に出陣なさらず

 

 44:11 我らが敵から敗走するままになさったので/我らを憎む者は略奪をほしいままにしたのです。

 

 44:12 あなたは我らを食い尽くされる羊として/国々の中に散らされました。

 

 44:13 御自分の民を、僅かの値で売り渡し/その価を高くしようともなさいませんでした。

 

 44:14 我らを隣の国々の嘲りの的とし/周囲の民が嘲笑い、そしるにまかせ

 

 44:15 我らを国々の嘲りの歌とし/多くの民が頭を振って侮るにまかせられました。

 

 44:16 辱めは絶えることなくわたしの前にあり/わたしの顔は恥に覆われています。

 

 44:17 嘲る声、ののしる声がします。報復しようとする敵がいます。

 

 44:18 これらのことがすべてふりかかっても/なお、我らは決してあなたを忘れることなく/あなたとの契約をむなしいものとせず

 

 44:19 我らの心はあなたを裏切らず/あなたの道をそれて歩もうとはしませんでした。

 

 44:20 あなたはそれでも我らを打ちのめし/山犬の住みかに捨て/死の陰で覆ってしまわれました。

 

 44:21 このような我らが、我らの神の御名を忘れ去り/異教の神に向かって/手を広げるようなことがあれば

 

 44:22 神はなお、それを探り出されます。心に隠していることを神は必ず知られます。

 

 44:23 我らはあなたゆえに、絶えることなく/殺される者となり/屠るための羊と見なされています。

 

 44:24 主よ、奮い立ってください。なぜ、眠っておられるのですか。永久に我らを突き放しておくことなく/目覚めてください。

 

 44:25 なぜ、御顔を隠しておられるのですか。我らが貧しく、虐げられていることを/忘れてしまわれたのですか。

 

 44:26 我らの魂は塵に伏し/腹は地に着いたままです。

 

 

 44:27 立ち上がって、我らをお助けください。我らを贖い、あなたの慈しみを表してください。

43編

 

 43:1 神よ、あなたの裁きを望みます。わたしに代わって争ってください。あなたの慈しみを知らぬ民、欺く者/よこしまな者から救ってください。

 

 43:2 あなたはわたしの神、わたしの砦。なぜ、わたしを見放されたのか。なぜ、わたしは敵に虐げられ/嘆きつつ行き来するのか。

 

 43:3 あなたの光とまことを遣わしてください。彼らはわたしを導き/聖なる山、あなたのいますところに/わたしを伴ってくれるでしょう。

 

 43:4 神の祭壇にわたしは近づき/わたしの神を喜び祝い/琴を奏でて感謝の歌をうたいます。神よ、わたしの神よ。

 

 

 43:5 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ/なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう/「御顔こそ、わたしの救い」と。わたしの神よ。

42編

 

 42:1 【指揮者によって。マスキール。コラの子の詩。】

 

 42:2 涸れた谷に鹿が水を求めるように/神よ、わたしの魂はあなたを求める。

 

 42:3 神に、命の神に、わたしの魂は渇く。いつ御前に出て/神の御顔を仰ぐことができるのか。

 

 42:4 昼も夜も、わたしの糧は涙ばかり。人は絶え間なく言う/「お前の神はどこにいる」と。

 

 42:5 わたしは魂を注ぎ出し、思い起こす/喜び歌い感謝をささげる声の中を/祭りに集う人の群れと共に進み/神の家に入り、ひれ伏したことを。

 

 42:6 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ/なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう/「御顔こそ、わたしの救い」と。

 

 42:7 わたしの神よ。わたしの魂はうなだれて、あなたを思い起こす。ヨルダンの地から、ヘルモンとミザルの山から

 

 42:8 あなたの注ぐ激流のとどろきにこたえて/深淵は深淵に呼ばわり/砕け散るあなたの波はわたしを越えて行く。

 

 42:9 昼、主は命じて慈しみをわたしに送り/夜、主の歌がわたしと共にある/わたしの命の神への祈りが。

 

 42:10 わたしの岩、わたしの神に言おう。「なぜ、わたしをお忘れになったのか。なぜ、わたしは敵に虐げられ/嘆きつつ歩くのか。」

 

 42:11 わたしを苦しめる者はわたしの骨を砕き/絶え間なく嘲って言う/「お前の神はどこにいる」と。

 

 

 42:12 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ/なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう/「御顔こそ、わたしの救い」と。わたしの神よ。

41編

 

 41:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 41:2 いかに幸いなことでしょう/弱いものに思いやりのある人は。災いのふりかかるとき/主はその人を逃れさせてくださいます。

 

 41:3 主よ、その人を守って命を得させ/この地で幸せにしてください。貪欲な敵に引き渡さないでください。

 

 41:4 主よ、その人が病の床にあるとき、支え/力を失って伏すとき、立ち直らせてください。

 

 41:5 わたしは申します。「主よ、憐れんでください。あなたに罪を犯したわたしを癒してください。」

 

 41:6 敵はわたしを苦しめようとして言います。「早く死んでその名も消えうせるがよい。」

 

 41:7 見舞いに来れば、むなしいことを言いますが/心に悪意を満たし、外に出ればそれを口にします。

 

 41:8 わたしを憎む者は皆、集まってささやき/わたしに災いを謀っています。

 

 41:9 「呪いに取りつかれて床に就いた。二度と起き上がれまい。」

 

 41:10 わたしの信頼していた仲間/わたしのパンを食べる者が/威張ってわたしを足げにします。

 

 41:11 主よ、どうかわたしを憐れみ/再びわたしを起き上がらせてください。そうしてくだされば/彼らを見返すことができます。

 

 41:12 そしてわたしは知るでしょう/わたしはあなたの御旨にかなうのだと/敵がわたしに対して勝ち誇ることはないと。

 

 41:13 どうか、無垢なわたしを支え/とこしえに、御前に立たせてください。

 

 

 41:14 主をたたえよ、イスラエルの神を/世々とこしえに。アーメン、アーメン。

40編

 

 40:1 【指揮者によって。ダビデの詩。賛歌。】

 

 40:2 主にのみ、わたしは望みをおいていた。主は耳を傾けて、叫びを聞いてくださった。

 

 40:3 滅びの穴、泥沼からわたしを引き上げ/わたしの足を岩の上に立たせ/しっかりと歩ませ

 

 40:4 わたしの口に新しい歌を/わたしたちの神への賛美を授けてくださった。人はこぞって主を仰ぎ見/主を畏れ敬い、主に依り頼む。

 

 40:5 いかに幸いなことか、主に信頼をおく人/ラハブを信ずる者にくみせず/欺きの教えに従わない人は。

 

 40:6 わたしの神、主よ/あなたは多くの不思議な業を成し遂げられます。あなたに並ぶものはありません。わたしたちに対する数知れない御計らいを/わたしは語り伝えて行きます。

 

 40:7 あなたはいけにえも、穀物の供え物も望まず/焼き尽くす供え物も/罪の代償の供え物も求めず/ただ、わたしの耳を開いてくださいました。

 

 40:8 そこでわたしは申します。御覧ください、わたしは来ております。わたしのことは/巻物に記されております。

 

 40:9 わたしの神よ、御旨を行うことをわたしは望み/あなたの教えを胸に刻み

 

 40:10 大いなる集会で正しく良い知らせを伝え/決して唇を閉じません。主よ、あなたはそれをご存じです。

 

 40:11 恵みの御業を心に秘めておくことなく/大いなる集会であなたの真実と救いを語り/慈しみとまことを隠さずに語りました。

 

 40:12 主よ、あなたも憐れみの心を閉ざすことなく/慈しみとまことによって/いつもわたしをお守りください。

 

 40:13 悪はわたしにからみつき、数えきれません。わたしは自分の罪に捕えられ/何も見えなくなりました。その数は髪の毛よりも多く/わたしは心挫けています。

 

 40:14 主よ、走り寄ってわたしを救ってください。主よ、急いでわたしを助けてください。

 

 40:15 わたしの命を奪おうとねらっている者が/恥を受け、嘲られ/わたしを災いに遭わせようと望む者が/侮られて退き

 

 40:16 わたしに向かってはやし立てる者が/恥を受けて破滅しますように。

 

 40:17 あなたを尋ね求める人が/あなたによって喜び祝い、楽しみ/御救いを愛する人が/主をあがめよといつも歌いますように。

 

 

 40:18 主よ、わたしは貧しく身を屈めています。わたしのためにお計らいください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。わたしの神よ、速やかに来てください。

39編

 

 39:1 【指揮者によって。エドトンの詩。賛歌。ダビデの詩。】

 

 39:2 わたしは言いました。「わたしの道を守ろう、舌で過ちを犯さぬように。神に逆らう者が目の前にいる。わたしの口にくつわをはめておこう。」

 

 39:3 わたしは口を閉ざして沈黙し/あまりに黙していたので苦しみがつのり

 

 39:4 心は内に熱し、呻いて火と燃えた。わたしは舌を動かして話し始めた。

 

 39:5 「教えてください、主よ、わたしの行く末を/わたしの生涯はどれ程のものか/いかにわたしがはかないものか、悟るように。」

 

 39:6 御覧ください、与えられたこの生涯は/僅か、手の幅ほどのもの。御前には、この人生も無に等しいのです。ああ、人は確かに立っているようでも/すべて空しいもの。〔セラ

 

 39:7 ああ、人はただ影のように移ろうもの。ああ、人は空しくあくせくし/だれの手に渡るとも知らずに積み上げる。

 

 39:8 主よ、それなら/何に望みをかけたらよいのでしょう。わたしはあなたを待ち望みます。

 

 39:9 あなたに背いたすべての罪からわたしを救い/神を知らぬ者というそしりを/受けないようにしてください。

 

 39:10 わたしは黙し、口を開きません。あなたが計らってくださるでしょう。

 

 39:11 わたしをさいなむその御手を放してください。御手に撃たれてわたしは衰え果てました。

 

 39:12 あなたに罪を責められ、懲らしめられて/人の欲望など虫けらのようについえます。ああ、人は皆、空しい。〔セラ

 

 39:13 主よ、わたしの祈りを聞き/助けを求める叫びに耳を傾けてください。わたしの涙に沈黙していないでください。わたしは御もとに身を寄せる者/先祖と同じ宿り人。

 

 

 39:14 あなたの目をわたしからそらせ/立ち直らせてください/わたしが去り、失われる前に。

38編

 

 38:1 【賛歌。ダビデの詩。記念。】

 

 38:2 主よ、怒ってわたしを責めないでください。憤って懲らしめないでください。

 

 38:3 あなたの矢はわたしを射抜き/御手はわたしを押さえつけています。

 

 38:4 わたしの肉にはまともなところもありません/あなたが激しく憤られたからです。骨にも安らぎがありません/わたしが過ちを犯したからです。

 

 38:5 わたしの罪悪は頭を越えるほどになり/耐え難い重荷となっています。

 

 38:6 負わされた傷は膿んで悪臭を放ちます/わたしが愚かな行いをしたからです。

 

 38:7 わたしは身を屈め、深くうなだれ/一日中、嘆きつつ歩きます。

 

 38:8 腰はただれに覆われています。わたしの肉にはまともなところもありません。

 

 38:9 もう立てないほど打ち砕かれ/心は呻き、うなり声をあげるだけです。

 

 38:10 わたしの主よ、わたしの願いはすべて御前にあり/嘆きもあなたには隠されていません。

 

 38:11 心は動転し、力はわたしを見捨て/目の光もまた、去りました。

 

 38:12 疫病にかかったわたしを/愛する者も友も避けて立ち/わたしに近い者も、遠く離れて立ちます。

 

 38:13 わたしの命をねらう者は罠を仕掛けます。わたしに災いを望む者は/欺こう、破滅させよう、と決めて/一日中それを口にしています。

 

 38:14 わたしの耳は聞こえないかのように/聞こうとしません。口は話せないかのように、開こうとしません。

 38:15 わたしは聞くことのできない者/口に抗議する力もない者となりました。

 

 38:16 主よ、わたしはなお、あなたを待ち望みます。わたしの主よ、わたしの神よ/御自身でわたしに答えてください。

 

 38:17 わたしは願いました/「わたしの足がよろめくことのないように/彼らがそれを喜んで/尊大にふるまうことがないように」と。

 

 38:18 わたしは今や、倒れそうになっています。苦痛を与えるものが常にわたしの前にあり

 

 38:19 わたしは自分の罪悪を言い表そうとして/犯した過ちのゆえに苦悩しています。

 

 38:20 わたしの敵は強大になり/わたしを憎む者らは偽りを重ね

 

 38:21 善意に悪意をもってこたえます。わたしは彼らの幸いを願うのに/彼らは敵対するのです。

 

 38:22 主よ、わたしを見捨てないでください。わたしの神よ、遠く離れないでください。

 

 

 38:23 わたしの救い、わたしの主よ/すぐにわたしを助けてください。

37編

 

(アルファベットによる詩)

 

 37:1 【ダビデの詩。】悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。

 

 37:2 彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。

 

 37:3 主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。

 

 37:4 主に自らをゆだねよ/主はあなたの心の願いをかなえてくださる。

 

 37:5 あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい

 

 37:6 あなたの正しさを光のように/あなたのための裁きを/真昼の光のように輝かせてくださる。

 

 37:7 沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。繁栄の道を行く者や/悪だくみをする者のことでいら立つな。

 

 37:8 怒りを解き、憤りを捨てよ。自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。

 

 37:9 悪事を謀る者は断たれ/主に望みをおく人は、地を継ぐ。

 

 37:10 しばらくすれば、主に逆らう者は消え去る。彼のいた所を調べてみよ、彼は消え去っている。

 

 37:11 貧しい人は地を継ぎ/豊かな平和に自らをゆだねるであろう。

 

 37:12 主に従う人に向かって/主に逆らう者はたくらみ、牙をむくが

 

 37:13 主は彼を笑われる。彼に定めの日が来るのを見ておられるから。

 

 37:14 主に逆らう者は剣を抜き、弓を引き絞り/貧しい人、乏しい人を倒そうとし/まっすぐに歩む人を屠ろうとするが

 

 37:15 その剣はかえって自分の胸を貫き/弓は折れるであろう。

 

 37:16 主に従う人が持っている物は僅かでも/主に逆らう者、権力ある者の富にまさる。

 

 37:17 主は御自分に逆らう者の腕を折り/従う人を支えてくださる。

 

 37:18 無垢な人の生涯を/主は知っていてくださる。彼らはとこしえに嗣業を持つであろう。

 

 37:19 災いがふりかかっても、うろたえることなく/飢饉が起こっても飽き足りていられる。

 37:20 しかし、主に逆らい敵対する者は必ず滅びる/献げ物の小羊が焼き尽くされて煙となるように。

 

 37:21 主に逆らう者は、借りたものも返さない。主に従う人は憐れんで施す。

 

 37:22 神の祝福を受けた人は地を継ぐ。神の呪いを受けた者は断たれる。

 

 37:23 主は人の一歩一歩を定め/御旨にかなう道を備えてくださる。

 

 37:24 人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。

 

 37:25 若いときにも老いた今も、わたしは見ていない/主に従う人が捨てられ/子孫がパンを乞うのを。

 

 37:26 生涯、憐れんで貸し与えた人には/祝福がその子孫に及ぶ。

 

 37:27 悪を避け、善を行えば/とこしえに、住み続けることができる。

 

 37:28 主は正義を愛される。主の慈しみに生きる人を見捨てることなく/とこしえに見守り/主に逆らう者の子孫を断たれる。

 

 37:29 主に従う人は地を継ぎ/いつまでも、そこに住み続ける。

 

 37:30 主に従う人は、口に知恵の言葉があり/その舌は正義を語る。

 

 37:31 神の教えを心に抱き/よろめくことなく歩む。

 

 37:32 主に逆らう者は待ち構えて/主に従う人を殺そうとする。

 

 37:33 主は御自分に従う人がその手中に陥って裁かれ/罪に定められることをお許しにならない。

 

 37:34 主に望みをおき、主の道を守れ。主はあなたを高く上げて/地を継がせてくださる。あなたは逆らう者が断たれるのを見るであろう。

 

 37:35 主に逆らう者が横暴を極め/野生の木のように勢いよくはびこるのを/わたしは見た。

 

 37:36 しかし、時がたてば彼は消えうせ/探しても、見いだすことはできないであろう。

 

 37:37 無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。平和な人には未来がある。

 

 37:38 背く者はことごとく滅ぼされ/主に逆らう者の未来は断たれる。

 

 37:39 主に従う人の救いは主のもとから来る/災いがふりかかるとき/砦となってくださる方のもとから。

 

 37:40 主は彼を助け、逃れさせてくださる/主に逆らう者から逃れさせてくださる。主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。

 

 

36編

 

 36:1 【指揮者によって。主の僕の詩。ダビデの詩。】

 

 36:2 神に逆らう者に罪が語りかけるのが/わたしの心の奥に聞こえる。彼の前に、神への恐れはない。

 

 36:3 自分の目に自分を偽っているから/自分の悪を認めることも/それを憎むこともできない。

 

 36:4 彼の口が語ることは悪事、欺き。決して目覚めようとも、善を行おうともしない。

 

 36:5 床の上でも悪事を謀り/常にその身を不正な道に置き/悪を退けようとしない。

 

 36:6 主よ、あなたの慈しみは天に/あなたの真実は大空に満ちている。

 

 36:7 恵みの御業は神の山々のよう/あなたの裁きは大いなる深淵。主よ、あなたは人をも獣をも救われる。

 

 36:8 神よ、慈しみはいかに貴いことか。あなたの翼の陰に人の子らは身を寄せ

 

 36:9 あなたの家に滴る恵みに潤い/あなたの甘美な流れに渇きを癒す。

 

 36:10 命の泉はあなたにあり/あなたの光に、わたしたちは光を見る。

 

 36:11 あなたを知る人の上に/慈しみが常にありますように。心のまっすぐな人の上に/恵みの御業が常にありますように。

 

 36:12 神に逆らう者の手が/わたしを追い立てることを許さず/驕る者の足が/わたしに迫ることを許さないでください。

 

 

 36:13 悪事を働く者は必ず倒れる。彼らは打ち倒され/再び立ち上がることはない。

35編

 

35:1 【ダビデの詩。】主よ、わたしと争う者と争い/わたしと戦う者と戦ってください。

 

 35:2 大盾と盾を取り/立ち上がってわたしを助けてください。

 

 35:3 わたしに追い迫る者の前に/槍を構えて立ちふさがってください。どうか、わたしの魂に言ってください/「お前を救おう」と。

 

 35:4 わたしの命を奪おうとする者は/恥に落とされ、嘲りを受けますように。わたしに災いを謀る者は/辱めを受けて退きますように。

 

 35:5 風に飛ぶもみ殻となった彼らが/主の使いに追い払われますように。

 

 35:6 道を暗闇に閉ざされ、足を滑らせる彼らに/主の使いが追い迫りますように。

 

 35:7 彼らは無実なわたしを滅ぼそうと網を張り/わたしの魂を滅ぼそうと落とし穴を掘りました。

 

 35:8 どうか、思わぬ時に破滅が臨み/彼らが自ら張った網に掛かり/破滅に落ちますように。

 

 35:9 わたしの魂は主によって喜び躍り/御救いを喜び楽しみます。

 

 35:10 わたしの骨はことごとく叫びます。「主よ、あなたに並ぶものはありません。貧しい人を強い者から/貧しく乏しい人を搾取する者から/助け出してくださいます。」

 

 35:11 不法の証人が数多く立ち、わたしを追及しますが/わたしの知らないことばかりです。

 

 35:12 彼らはわたしの善意に悪意をもってこたえます。わたしの魂を滅ぼそうとして、子供を奪いました。

 

 35:13 彼らが病にかかっていたとき/わたしは粗布をまとって断食し、魂を苦しめ/胸の内に祈りを繰り返し

 

 35:14 彼らの友、彼らの兄弟となり/母の死を悼む子のように嘆きの衣をまとい/うなだれて行き来したのに

 

 35:15 わたしが倒れれば彼らは喜び、押し寄せます。わたしに向かって押し寄せ/わたしの知らないことについてわたしを打ち/とめどもなく引き裂きます。

 

 35:16 神を無視する者がわたしを囲んで嘲笑い/わたしに向かって歯をむき出します。

 

 35:17 主よ、いつまで見ておられるのですか。彼らの謀る破滅から/わたしの魂を取り返してください。多くの若い獅子からわたしの身を救ってください。

 

 35:18 優れた会衆の中であなたに感謝をささげ/偉大な民の中であなたを賛美できますように。

 

 35:19 敵が不当に喜ぶことがありませんように。無実なわたしを憎む者が/侮りの目で見ることがありませんように。

 

 35:20 彼らは平和を語ることなく/この地の穏やかな人々を欺こうとしています。

 

 35:21 わたしに向かえば、大口を開けて嘲笑い/「この目で見た」と言います。

 

 35:22 主よ、あなたは御覧になっています。沈黙なさらないでください。わたしの主よ、遠く離れないでください。

 

 35:23 わたしの神、わたしの主よ、目を覚まし/起き上がり、わたしのために裁きに臨み/わたしに代わって争ってください。

 

 35:24 主よ、わたしの神よ/あなたの正しさによって裁いてください。敵が喜んで

 

 35:25 「うまく行った」と心の中で言いませんように。「ひと呑みにした」と言いませんように。

 

 35:26 苦難の中にいるわたしを嘲笑う者が/共に恥と嘲りを受け/わたしに対して尊大にふるまう者が/恥と辱めを衣としますように。

 

 35:27 わたしが正しいとされることを望む人々が/喜び歌い、喜び祝い/絶えることなく唱えますように/「主をあがめよ/御自分の僕の平和を望む方を」と。

 

 

 35:28 わたしの舌があなたの正しさを歌い/絶えることなくあなたを賛美しますように。

34編

 

 (アルファベットによる詩)

 

 34:1 【ダビデの詩。ダビデがアビメレクの前で狂気の人を装い、追放されたときに。】

 

 34:2 どのようなときも、わたしは主をたたえ/わたしの口は絶えることなく賛美を歌う。

 

 34:3 わたしの魂は主を賛美する。貧しい人よ、それを聞いて喜び祝え。

 

 34:4 わたしと共に主をたたえよ。ひとつになって御名をあがめよう。

 

 34:5 わたしは主に求め/主は答えてくださった。脅かすものから常に救い出してくださった。

 

 34:6 主を仰ぎ見る人は光と輝き/辱めに顔を伏せることはない。

 

 34:7 この貧しい人が呼び求める声を主は聞き/苦難から常に救ってくださった。

 

 34:8 主の使いはその周りに陣を敷き/主を畏れる人を守り助けてくださった。

 

 34:9 味わい、見よ、主の恵み深さを。いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。

 

 34:10 主の聖なる人々よ、主を畏れ敬え。主を畏れる人には何も欠けることがない。

 

 34:11 若獅子は獲物がなくて飢えても/主に求める人には良いものの欠けることがない。

 

 34:12 子らよ、わたしに聞き従え。主を畏れることを教えよう。

 

 34:13 喜びをもって生き/長生きして幸いを見ようと望む者は

 

 34:14 舌を悪から/唇を偽りの言葉から遠ざけ

 

 34:15 悪を避け、善を行い/平和を尋ね求め、追い求めよ。

 

 34:16 主は、従う人に目を注ぎ/助けを求める叫びに耳を傾けてくださる。

 

 34:17 主は悪を行う者に御顔を向け/その名の記念を地上から絶たれる。

 

 34:18 主は助けを求める人の叫びを聞き/苦難から常に彼らを助け出される。

 

 34:19 主は打ち砕かれた心に近くいまし/悔いる霊を救ってくださる。

 

 34:20 主に従う人には災いが重なるが/主はそのすべてから救い出し

 

 34:21 骨の一本も損なわれることのないように/彼を守ってくださる。

 

 34:22 主に逆らう者は災いに遭えば命を失い/主に従う人を憎む者は罪に定められる。

 

 

 34:23 主はその僕の魂を贖ってくださる。主を避けどころとする人は/罪に定められることがない。

33編

 

 33:1 主に従う人よ、主によって喜び歌え。主を賛美することは正しい人にふさわしい。

 

 33:2 琴を奏でて主に感謝をささげ/十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。

 

 33:3 新しい歌を主に向かってうたい/美しい調べと共に喜びの叫びをあげよ。

 

 33:4 主の御言葉は正しく/御業はすべて真実。

 

 33:5 主は恵みの業と裁きを愛し/地は主の慈しみに満ちている。

 

 33:6 御言葉によって天は造られ/主の口の息吹によって天の万象は造られた。

 

 33:7 主は大海の水をせき止め/深淵の水を倉に納められた。

 

 33:8 全地は主を畏れ/世界に住むものは皆、主におののく。

 

 33:9 主が仰せになると、そのように成り/主が命じられると、そのように立つ。

 

 33:10 主は国々の計らいを砕き/諸国の民の企てを挫かれる。

 

 33:11 主の企てはとこしえに立ち/御心の計らいは代々に続く。

 

 33:12 いかに幸いなことか/主を神とする国/主が嗣業として選ばれた民は。

 

 33:13 主は天から見渡し/人の子らをひとりひとり御覧になり

 

 33:14 御座を置かれた所から/地に住むすべての人に目を留められる。

 

 33:15 人の心をすべて造られた主は/彼らの業をことごとく見分けられる。

 

 33:16 王の勝利は兵の数によらず/勇士を救うのも力の強さではない。

 

 33:17 馬は勝利をもたらすものとはならず/兵の数によって救われるのでもない。

 

 33:18 見よ、主は御目を注がれる/主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。

 

 33:19 彼らの魂を死から救い/飢えから救い、命を得させてくださる。

 

 33:20 我らの魂は主を待つ。主は我らの助け、我らの盾。

 

 33:21 我らの心は喜び/聖なる御名に依り頼む。

 

 

 33:22 主よ、あなたの慈しみが/我らの上にあるように/主を待ち望む我らの上に。

32編

 

 32:1 【ダビデの詩。マスキール。】いかに幸いなことでしょう/背きを赦され、罪を覆っていただいた者は。

 

 32:2 いかに幸いなことでしょう/主に咎を数えられず、心に欺きのない人は。

 

 32:3 わたしは黙し続けて/絶え間ない呻きに骨まで朽ち果てました。

 

 32:4 御手は昼も夜もわたしの上に重く/わたしの力は/夏の日照りにあって衰え果てました。〔セラ

 

 32:5 わたしは罪をあなたに示し/咎を隠しませんでした。わたしは言いました/「主にわたしの背きを告白しよう」と。そのとき、あなたはわたしの罪と過ちを/赦してくださいました。〔セラ

 

 32:6 あなたの慈しみに生きる人は皆/あなたを見いだしうる間にあなたに祈ります。大水が溢れ流れるときにも/その人に及ぶことは決してありません。

 

 32:7 あなたはわたしの隠れが。苦難から守ってくださる方。救いの喜びをもって/わたしを囲んでくださる方。〔セラ

 

 32:8 わたしはあなたを目覚めさせ/行くべき道を教えよう。あなたの上に目を注ぎ、勧めを与えよう。

 

 32:9 分別のない馬やらばのようにふるまうな。それはくつわと手綱で動きを抑えねばならない。そのようなものをあなたに近づけるな。

 

 32:10 神に逆らう者は悩みが多く/主に信頼する者は慈しみに囲まれる。

 

 

 32:11 神に従う人よ、主によって喜び躍れ。すべて心の正しい人よ、喜びの声をあげよ。

31編

 

 31:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 31:2 主よ、御もとに身を寄せます。とこしえに恥に落とすことなく/恵みの御業によってわたしを助けてください。

 

 31:3 あなたの耳をわたしに傾け/急いでわたしを救い出してください。砦の岩、城塞となってお救いください。

 

 31:4 あなたはわたしの大岩、わたしの砦。御名にふさわしく、わたしを守り導き

 

 31:5 隠された網に落ちたわたしを引き出してください。あなたはわたしの砦。

 

 31:6 まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。わたしを贖ってください。

 

 31:7 わたしは空しい偶像に頼る者を憎み/主に、信頼します。

 

 31:8 慈しみをいただいて、わたしは喜び躍ります。あなたはわたしの苦しみを御覧になり/わたしの魂の悩みを知ってくださいました。

 

 31:9 わたしを敵の手に渡すことなく/わたしの足を/広い所に立たせてくださいました。

 

 31:10 主よ、憐れんでください/わたしは苦しんでいます。目も、魂も、はらわたも/苦悩のゆえに衰えていきます。

 

 31:11 命は嘆きのうちに/年月は呻きのうちに尽きていきます。罪のゆえに力はうせ/骨は衰えていきます。

 

 31:12 わたしの敵は皆、わたしを嘲り/隣人も、激しく嘲ります。親しい人々はわたしを見て恐れを抱き/外で会えば避けて通ります。

 

 31:13 人の心はわたしを死者のように葬り去り/壊れた器と見なします。

 

 31:14 ひそかな声が周囲に聞こえ/脅かすものが取り囲んでいます。人々がわたしに対して陰謀をめぐらし/命を奪おうとたくらんでいます。

 

 31:15 主よ、わたしはなお、あなたに信頼し/「あなたこそわたしの神」と申します。

 

 31:16 わたしにふさわしいときに、御手をもって/追い迫る者、敵の手から助け出してください。

 

 31:17 あなたの僕に御顔の光を注ぎ/慈しみ深く、わたしをお救いください。

 

 31:18 主よ、あなたを呼びます。わたしを恥に落とすことなく/神に逆らう者をこそ恥に落とし/陰府に落とし、黙らせてください。

 

 31:19 偽って語る唇を封じてください/正しい人を侮り、驕り高ぶって語る唇を。

 

 31:20 御恵みはいかに豊かなことでしょう。あなたを畏れる人のためにそれを蓄え/人の子らの目の前で/あなたに身を寄せる人に、お与えになります。

 

 31:21 御もとに彼らをかくまって/人間の謀から守ってくださいます。仮庵の中に隠し/争いを挑む舌を免れさせてくださいます。

 

 31:22 主をたたえよ。主は驚くべき慈しみの御業を/都が包囲されたとき、示してくださいました。

 

 31:23 恐怖に襲われて、わたしは言いました/「御目の前から断たれた」と。それでもなお、あなたに向かうわたしの叫びを/嘆き祈るわたしの声を/あなたは聞いてくださいました。

 

 31:24 主の慈しみに生きる人はすべて、主を愛せよ。主は信仰ある人を守り/傲慢な者には厳しく報いられる。

 

 31:25 雄々しくあれ、心を強くせよ/主を待ち望む人はすべて。

 

 

30編

 

 30:1 【賛歌。神殿奉献の歌。ダビデの詩。】

 

 30:2 主よ、あなたをあがめます。あなたは敵を喜ばせることなく/わたしを引き上げてくださいました。

 

 30:3 わたしの神、主よ、叫び求めるわたしを/あなたは癒してくださいました。

 

 30:4 主よ、あなたはわたしの魂を陰府から引き上げ/墓穴に下ることを免れさせ/わたしに命を得させてくださいました。

 

 30:5 主の慈しみに生きる人々よ/主に賛美の歌をうたい/聖なる御名を唱え、感謝をささげよ。

 

 30:6 ひととき、お怒りになっても/命を得させることを御旨としてくださる。泣きながら夜を過ごす人にも/喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。

 

 30:7 平穏なときには、申しました/「わたしはとこしえに揺らぐことがない」と。

 

 30:8 主よ、あなたが御旨によって/砦の山に立たせてくださったからです。しかし、御顔を隠されると/わたしはたちまち恐怖に陥りました。

 

 30:9 主よ、わたしはあなたを呼びます。主に憐れみを乞います。

 

 30:10 わたしが死んで墓に下ることに/何の益があるでしょう。塵があなたに感謝をささげ/あなたのまことを告げ知らせるでしょうか。

 

 30:11 主よ、耳を傾け、憐れんでください。主よ、わたしの助けとなってください。

 

 30:12 あなたはわたしの嘆きを踊りに変え/粗布を脱がせ、喜びを帯としてくださいました。

 

 

 30:13 わたしの魂があなたをほめ歌い/沈黙することのないようにしてくださいました。わたしの神、主よ/とこしえにあなたに感謝をささげます。

29編

 

 29:1 【賛歌。ダビデの詩。】神の子らよ、主に帰せよ/栄光と力を主に帰せよ

 

 29:2 御名の栄光を主に帰せよ。聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。

 

 29:3 主の御声は水の上に響く。栄光の神の雷鳴はとどろく。主は大水の上にいます。

 

 29:4 主の御声は力をもって響き/主の御声は輝きをもって響く。

 

 29:5 主の御声は杉の木を砕き/主はレバノンの杉の木を砕き

 

 29:6 レバノンを子牛のように/シルヨンを野牛の子のように躍らせる。

 

 29:7 主の御声は炎を裂いて走らせる。

 

 29:8 主の御声は荒れ野をもだえさせ/主はカデシュの荒れ野をもだえさせる。

 

 29:9 主の御声は雌鹿をもだえさせ/月満ちぬうちに子を産ませる。神殿のものみなは唱える/「栄光あれ」と。

 

 29:10 主は洪水の上に御座をおく。とこしえの王として、主は御座をおく。

 

 

 29:11 どうか主が民に力をお与えになるように。主が民を祝福して平和をお与えになるように。

 

28編

 

 28:1 【ダビデの詩。】主よ、あなたを呼び求めます。わたしの岩よ/わたしに対して沈黙しないでください。あなたが黙しておられるなら/わたしは墓に下る者とされてしまいます。

 

 28:2 嘆き祈るわたしの声を聞いてください。至聖所に向かって手を上げ/あなたに救いを求めて叫びます。

 

 28:3 神に逆らう者、悪を行う者と共に/わたしを引いて行かないでください。彼らは仲間に向かって平和を口にしますが/心には悪意を抱いています。

 

 28:4 その仕業、悪事に応じて彼らに報いてください。その手のなすところに応じて/彼らに報い、罰してください。

 

 28:5 主の御業、御手の業を彼らは悟ろうとしません。彼らを滅ぼし、再び興さないでください。

 

 28:6 主をたたえよ。嘆き祈るわたしの声を聞いてくださいました。

 

 28:7 主はわたしの力、わたしの盾/わたしの心は主に依り頼みます。主の助けを得てわたしの心は喜び躍ります。歌をささげて感謝いたします。

 

 28:8 主は油注がれた者の力、その砦、救い。

 

 

 28:9 お救いください、あなたの民を。祝福してください、あなたの嗣業の民を。とこしえに彼らを導き養ってください。

27編

 

 27:1 【ダビデの詩。】主はわたしの光、わたしの救い/わたしは誰を恐れよう。主はわたしの命の砦/わたしは誰の前におののくことがあろう。

 

 27:2 さいなむ者が迫り/わたしの肉を食い尽くそうとするが/わたしを苦しめるその敵こそ、かえって/よろめき倒れるであろう。

 

 27:3 彼らがわたしに対して陣を敷いても/わたしの心は恐れない。わたしに向かって戦いを挑んで来ても/わたしには確信がある。

 

 27:4 ひとつのことを主に願い、それだけを求めよう。命のある限り、主の家に宿り/主を仰ぎ望んで喜びを得/その宮で朝を迎えることを。

 

 27:5 災いの日には必ず、主はわたしを仮庵にひそませ/幕屋の奥深くに隠してくださる。岩の上に立たせ

 

 27:6 群がる敵の上に頭を高く上げさせてくださる。わたしは主の幕屋でいけにえをささげ、歓声をあげ/主に向かって賛美の歌をうたう。

 

 27:7 主よ、呼び求めるわたしの声を聞き/憐れんで、わたしに答えてください。

 

 27:8 心よ、主はお前に言われる/「わたしの顔を尋ね求めよ」と。主よ、わたしは御顔を尋ね求めます。

 

 27:9 御顔を隠すことなく、怒ることなく/あなたの僕を退けないでください。あなたはわたしの助け。救いの神よ、わたしを離れないでください/見捨てないでください。

 

 27:10 父母はわたしを見捨てようとも/主は必ず、わたしを引き寄せてくださいます。

 

 27:11 主よ、あなたの道を示し/平らな道に導いてください。わたしを陥れようとする者がいるのです。

 

 27:12 貪欲な敵にわたしを渡さないでください。偽りの証人、不法を言い広める者が/わたしに逆らって立ちました。

 

 27:13 わたしは信じます/命あるものの地で主の恵みを見ることを。

 

 27:14 主を待ち望め/雄々しくあれ、心を強くせよ。主を待ち望め。

 

 

26編

 

 26:1 【ダビデの詩。】主よ、あなたの裁きを望みます。わたしは完全な道を歩いてきました。主に信頼して、よろめいたことはありません。

 

 26:2 主よ、わたしを調べ、試み/はらわたと心を火をもって試してください。

 

 26:3 あなたの慈しみはわたしの目の前にあり/あなたのまことに従って歩き続けています。

 

 26:4 偽る者と共に座らず/欺く者の仲間に入らず

 

 26:5 悪事を謀る者の集いを憎み/主に逆らう者と共に座ることをしません。

 

 26:6 主よ、わたしは手を洗って潔白を示し/あなたの祭壇を廻り

 

 26:7 感謝の歌声を響かせ/驚くべき御業をことごとく語り伝えます。

 

 26:8 主よ、あなたのいます家/あなたの栄光の宿るところをわたしは慕います。

 

 26:9 わたしの魂を罪ある者の魂と共に/わたしの命を流血を犯す者の命と共に/取り上げないでください。

 

 26:10 彼らの手は汚れた行いに馴れ/その右の手には奪った物が満ちています。

 

 26:11 わたしは完全な道を歩きます。わたしを憐れみ、贖ってください。

 

 26:12 わたしの足はまっすぐな道に立っています。聖歌隊と共にわたしは主をたたえます。

 

 

 

 

25編

 

(アルファベットによる詩)

 

 25:1 【ダビデの詩。】主よ、わたしの魂はあなたを仰ぎ望み

 

 25:2 わたしの神よ、あなたに依り頼みます。どうか、わたしが恥を受けることのないように/敵が誇ることのないようにしてください。

 

 25:3 あなたに望みをおく者はだれも/決して恥を受けることはありません。いたずらに人を欺く者が恥を受けるのです。

 

 25:4 主よ、あなたの道をわたしに示し/あなたに従う道を教えてください。

 

 25:5 あなたのまことにわたしを導いてください。教えてください/あなたはわたしを救ってくださる神。絶えることなくあなたに望みをおいています。

 

 25:6 主よ思い起こしてください/あなたのとこしえの憐れみと慈しみを。

 

 25:7 わたしの若いときの罪と背きは思い起こさず/慈しみ深く、御恵みのために/主よ、わたしを御心に留めてください。

 

 25:8 主は恵み深く正しくいまし/罪人に道を示してくださいます。

 

 25:9 裁きをして貧しい人を導き/主の道を貧しい人に教えてくださいます。

 

 25:10 その契約と定めを守る人にとって/主の道はすべて、慈しみとまこと。

 

 25:11 主よ、あなたの御名のために/罪深いわたしをお赦しください。

 

 25:12 主を畏れる人は誰か。主はその人に選ぶべき道を示されるであろう。

 

 25:13 その人は恵みに満たされて宿り/子孫は地を継ぐであろう。

 

 25:14 主を畏れる人に/主は契約の奥義を悟らせてくださる。

 

 25:15 わたしはいつも主に目を注いでいます。わたしの足を網から引き出してくださる方に。

 

 25:16 御顔を向けて、わたしを憐れんでください。わたしは貧しく、孤独です。

 

 25:17 悩む心を解き放ち/痛みからわたしを引き出してください。

 

 25:18 御覧ください、わたしの貧しさと労苦を。どうかわたしの罪を取り除いてください。

 

 25:19 御覧ください、敵は増えて行くばかりです。わたしを憎み、不法を仕掛けます。

 

 25:20 御もとに身を寄せます。わたしの魂を守り、わたしを助け出し/恥を受けることのないようにしてください。

 

 25:21 あなたに望みをおき、無垢でまっすぐなら/そのことがわたしを守ってくれるでしょう。

 

 

 25:22 神よ、イスラエルを/すべての苦難から贖ってください。

24編

 

 24:1 【ダビデの詩。賛歌。】地とそこに満ちるもの/世界とそこに住むものは、主のもの。

 

 24:2 主は、大海の上に地の基を置き/潮の流れの上に世界を築かれた。

 

 24:3 どのような人が、主の山に上り/聖所に立つことができるのか。

 

 24:4 それは、潔白な手と清い心をもつ人。むなしいものに魂を奪われることなく/欺くものによって誓うことをしない人。

 

 24:5 主はそのような人を祝福し/救いの神は恵みをお与えになる。

 

 24:6 それは主を求める人/ヤコブの神よ、御顔を尋ね求める人。〔セラ

 

 24:7 城門よ、頭を上げよ/とこしえの門よ、身を起こせ。栄光に輝く王が来られる。

 

 24:8 栄光に輝く王とは誰か。強く雄々しい主、雄々しく戦われる主。

 

 24:9 城門よ、頭を上げよ/とこしえの門よ、身を起こせ。栄光に輝く王が来られる。

 

 

 24:10 栄光に輝く王とは誰か。万軍の主、主こそ栄光に輝く王。〔セラ

23編

 

 23:1 【賛歌。ダビデの詩。】主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。

 

 23:2 主はわたしを青草の原に休ませ/憩いの水のほとりに伴い

 

 23:3 魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく/わたしを正しい道に導かれる。

 

 23:4 死の陰の谷を行くときも/わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖/それがわたしを力づける。

 

 23:5 わたしを苦しめる者を前にしても/あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ/わたしの杯を溢れさせてくださる。

 

 

 23:6 命のある限り/恵みと慈しみはいつもわたしを追う。主の家にわたしは帰り/生涯、そこにとどまるであろう。

22編

 

 22:1 【指揮者によって。「暁の雌鹿」に合わせて。賛歌。ダビデの詩。】

 

 22:2 わたしの神よ、わたしの神よ/なぜわたしをお見捨てになるのか。なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず/呻きも言葉も聞いてくださらないのか。

 

 22:3 わたしの神よ/昼は、呼び求めても答えてくださらない。夜も、黙ることをお許しにならない。

 

 22:4 だがあなたは、聖所にいまし/イスラエルの賛美を受ける方。

 

 22:5 わたしたちの先祖はあなたに依り頼み/依り頼んで、救われて来た。

 

 22:6 助けを求めてあなたに叫び、救い出され/あなたに依り頼んで、裏切られたことはない。

 

 22:7 わたしは虫けら、とても人とはいえない。人間の屑、民の恥。

 

 22:8 わたしを見る人は皆、わたしを嘲笑い/唇を突き出し、頭を振る。

 

 22:9 「主に頼んで救ってもらうがよい。主が愛しておられるなら/助けてくださるだろう。」

 

 22:10 わたしを母の胎から取り出し/その乳房にゆだねてくださったのはあなたです。

 

 22:11 母がわたしをみごもったときから/わたしはあなたにすがってきました。母の胎にあるときから、あなたはわたしの神。

 

 22:12 わたしを遠く離れないでください/苦難が近づき、助けてくれる者はいないのです。

 

 22:13 雄牛が群がってわたしを囲み/バシャンの猛牛がわたしに迫る。

 

 22:14 餌食を前にした獅子のようにうなり/牙をむいてわたしに襲いかかる者がいる。

 

 22:15 わたしは水となって注ぎ出され/骨はことごとくはずれ/心は胸の中で蝋のように溶ける。

 

 22:16 口は渇いて素焼きのかけらとなり/舌は上顎にはり付く。あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。

 

 22:17 犬どもがわたしを取り囲み/さいなむ者が群がってわたしを囲み/獅子のようにわたしの手足を砕く。

 

 22:18 骨が数えられる程になったわたしのからだを/彼らはさらしものにして眺め

 

 22:19 わたしの着物を分け/衣を取ろうとしてくじを引く。

 

 22:20 主よ、あなただけは/わたしを遠く離れないでください。わたしの力の神よ/今すぐにわたしを助けてください。

 

 22:21 わたしの魂を剣から救い出し/わたしの身を犬どもから救い出してください。

 

 22:22 獅子の口、雄牛の角からわたしを救い/わたしに答えてください。

 

 22:23 わたしは兄弟たちに御名を語り伝え/集会の中であなたを賛美します。

 

 22:24 主を畏れる人々よ、主を賛美せよ。ヤコブの子孫は皆、主に栄光を帰せよ。イスラエルの子孫は皆、主を恐れよ。

 

 22:25 主は貧しい人の苦しみを/決して侮らず、さげすまれません。御顔を隠すことなく/助けを求める叫びを聞いてくださいます。

 

 22:26 それゆえ、わたしは大いなる集会で/あなたに賛美をささげ/神を畏れる人々の前で満願の献げ物をささげます。

 

 22:27 貧しい人は食べて満ち足り/主を尋ね求める人は主を賛美します。いつまでも健やかな命が与えられますように。

 

 22:28 地の果てまで/すべての人が主を認め、御もとに立ち帰り/国々の民が御前にひれ伏しますように。

 

 22:29 王権は主にあり、主は国々を治められます。

 

 22:30 命に溢れてこの地に住む者はことごとく/主にひれ伏し/塵に下った者もすべて御前に身を屈めます。わたしの魂は必ず命を得

 

 

 22:31 -32子孫は神に仕え/主のことを来るべき代に語り伝え/成し遂げてくださった恵みの御業を/民の末に告げ知らせるでしょう。

21編

 

 21:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 21:2 主よ、王はあなたの御力を喜び祝い/御救いのゆえに喜び躍る。

 

 21:3 あなたは王の心の望みをかなえ/唇の願い求めるところを拒まず〔セラ

 

 21:4 彼を迎えて豊かな祝福を与え/黄金の冠をその頭におかれた。

 

 21:5 願いを聞き入れて命を得させ/生涯の日々を世々限りなく加えられた。

 

 21:6 御救いによって王の栄光は大いなるものになる。あなたは彼に栄えと輝きを賜る。

 

 21:7 永遠の祝福を授け、御顔を向けられると/彼は喜び祝う。

 

 21:8 王は主に依り頼む。いと高き神の慈しみに支えられ/決して揺らぐことがない。

 

 21:9 あなたの御手は敵のすべてに及び/右の御手はあなたを憎む者に及ぶ。

 

 21:10 主よ、あなたが怒りを表されるとき/彼らは燃える炉に投げ込まれた者となり/怒りに呑み込まれ、炎になめ尽くされ

 

 21:11 その子らは地から/子孫は人の子らの中から断たれる。

 

 21:12 彼らはあなたに向かって悪事をたくらみ/陰謀をめぐらすが、決して成功しない。

 

 21:13 かえって、あなたは彼らを引き倒し/彼らに向かって弓を引き絞られる。

 

 

 21:14 御力を表される主をあがめよ。力ある御業をたたえて、我らは賛美の歌をうたう。

20編

 

 20:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 20:2 苦難の日に主があなたに答え/ヤコブの神の御名があなたを高く上げ

 

 20:3 聖所から助けを遣わし/シオンからあなたを支えてくださるように。

 

 20:4 あなたの供え物をことごとく心に留め/あなたのささげるいけにえを快く受け入れ〔セラ

 

 20:5 あなたの心の願いをかなえ/あなたの計らいを実現させてくださるように。

 

 20:6 我らがあなたの勝利に喜びの声をあげ/我らの神の御名によって/旗を掲げることができるように。主が、あなたの求めるところを/すべて実現させてくださるように。

 

 20:7 今、わたしは知った/主は油注がれた方に勝利を授け/聖なる天から彼に答えて/右の御手による救いの力を示されることを。

 

 20:8 戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが/我らは、我らの神、主の御名を唱える。

 

 20:9 彼らは力を失って倒れるが/我らは力に満ちて立ち上がる。

 

 

 20:10 主よ、王に勝利を与え/呼び求める我らに答えてください。

19編

 

19:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 19:2 天は神の栄光を物語り/大空は御手の業を示す。

 

 19:3 昼は昼に語り伝え/夜は夜に知識を送る。

 

 19:4 話すことも、語ることもなく/声は聞こえなくても

 

 19:5 その響きは全地に/その言葉は世界の果てに向かう。そこに、神は太陽の幕屋を設けられた。

 

 19:6 太陽は、花婿が天蓋から出るように/勇士が喜び勇んで道を走るように

 

 19:7 天の果てを出で立ち/天の果てを目指して行く。その熱から隠れうるものはない。

 

 19:8 主の律法は完全で、魂を生き返らせ/主の定めは真実で、無知な人に知恵を与える。

 

 19:9 主の命令はまっすぐで、心に喜びを与え/主の戒めは清らかで、目に光を与える。

 

 19:10 主への畏れは清く、いつまでも続き/主の裁きはまことで、ことごとく正しい。

 

 19:11 金にまさり、多くの純金にまさって望ましく/蜜よりも、蜂の巣の滴りよりも甘い。

 

 19:12 あなたの僕はそれらのことを熟慮し/それらを守って大きな報いを受けます。

 

 19:13 知らずに犯した過ち、隠れた罪から/どうかわたしを清めてください。

 

 19:14 あなたの僕を驕りから引き離し/支配されないようにしてください。そうすれば、重い背きの罪から清められ/わたしは完全になるでしょう。

 

 

 19:15 どうか、わたしの口の言葉が御旨にかない/心の思いが御前に置かれますように。主よ、わたしの岩、わたしの贖い主よ。

18編

 

 18:1 【指揮者によって。主の僕の詩。ダビデの詩。主がダビデをすべての敵の手、また、サウルの手から救い出されたとき、彼はこの歌の言葉を主に述べた。】

 

 18:2 主よ、わたしの力よ、わたしはあなたを慕う。

 

 18:3 主はわたしの岩、砦、逃れ場/わたしの神、大岩、避けどころ/わたしの盾、救いの角、砦の塔。

 

 18:4 ほむべき方、主をわたしは呼び求め/敵から救われる。

 

 18:5 死の縄がからみつき/奈落の激流がわたしをおののかせ

 

 18:6 陰府の縄がめぐり/死の網が仕掛けられている。

 

 18:7 苦難の中から主を呼び求め/わたしの神に向かって叫ぶと/その声は神殿に響き/叫びは御前に至り、御耳に届く。

 

 18:8 主の怒りは燃え上がり、地は揺れ動く。山々の基は震え、揺らぐ。

 

 18:9 御怒りに煙は噴き上がり/御口の火は焼き尽くし、炎となって燃えさかる。

 

 18:10 主は天を傾けて降り/密雲を足もとに従え

 

 18:11 ケルブを駆って飛び/風の翼に乗って行かれる。

 

 18:12 周りに闇を置いて隠れがとし/暗い雨雲、立ちこめる霧を幕屋とされる。

 

 18:13 御前にひらめく光に雲は従い/雹と火の雨が続く。

 

 18:14 主は天から雷鳴をとどろかせ/いと高き神は御声をあげられ/雹と火の雨が続く。

 

 18:15 主の矢は飛び交い/稲妻は散乱する。

 

 18:16 主よ、あなたの叱咤に海の底は姿を現し/あなたの怒りの息に世界はその基を示す。

 

 18:17 主は高い天から御手を遣わしてわたしをとらえ/大水の中から引き上げてくださる。

 

 18:18 敵は力があり/わたしを憎む者は勝ち誇っているが/なお、主はわたしを救い出される。

 

 18:19 彼らが攻め寄せる災いの日/主はわたしの支えとなり

 

 18:20 わたしを広い所に導き出し、助けとなり/喜び迎えてくださる。

 

 18:21 主はわたしの正しさに報いてくださる。わたしの手の清さに応じて返してくださる。

 

 18:22 わたしは主の道を守り/わたしの神に背かない。

 

 18:23 わたしは主の裁きをすべて前に置き/主の掟を遠ざけない。

 

 18:24 わたしは主に対して無垢であろうとし/罪から身を守る。

 

 18:25 主はわたしの正しさに応じて返してくださる。御目に対してわたしの手は清い。

 

 18:26 あなたの慈しみに生きる人に/あなたは慈しみを示し/無垢な人には無垢に

 

 18:27 清い人には清くふるまい/心の曲がった者には背を向けられる。

 

 18:28 あなたは貧しい民を救い上げ/高ぶる目を引き下ろされる。

 

 18:29 主よ、あなたはわたしの灯を輝かし/神よ、あなたはわたしの闇を照らしてくださる。

 

 18:30 あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし/わたしの神によって、城壁を越える。

 

 18:31 神の道は完全/主の仰せは火で練り清められている。すべて御もとに身を寄せる人に/主は盾となってくださる。

 

 18:32 主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。

 

 18:33 神はわたしに力を帯びさせ/わたしの道を完全にし

 

 18:34 わたしの足を鹿のように速くし/高い所に立たせ

 

 18:35 手に戦いの技を教え/腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。

 

 18:36 あなたは救いの盾をわたしに授け/右の御手で支えてくださる。あなたは、自ら降り/わたしを強い者としてくださる。

 

 18:37 わたしの足は大きく踏み出し/くるぶしはよろめくことがない。

 

 18:38 敵を追い、敵に追いつき/滅ぼすまで引き返さず

 

 18:39 彼らを打ち、再び立つことを許さない。彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。

 

 18:40 あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ/刃向かう者を屈服させ

 

 18:41 敵の首筋を踏ませてくださる。わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。

 

 18:42 彼らは叫ぶが、助ける者は現れず/主に向かって叫んでも答えはない。

 

 18:43 わたしは彼らを風の前の塵と見なし/野の土くれのようにむなしいものとする。

 

 18:44 あなたはわたしを民の争いから解き放ち/国々の頭としてくださる。わたしの知らぬ民もわたしに仕え

 

 18:45 わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い/敵の民は憐れみを乞う。

 

 18:46 敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。

 

 18:47 主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの神をあがめよ。

 

 18:48 わたしのために報復してくださる神よ/諸国の民をわたしに従わせてください。

 

 18:49 敵からわたしを救い/刃向かう者よりも高く上げ/不法の者から助け出してください。

 

 18:50 主よ、国々の中で/わたしはあなたに感謝をささげ/御名をほめ歌う。

 

 

 18:51 主は勝利を与えて王を大いなる者とし/油注がれた人を、ダビデとその子孫を/とこしえまで/慈しみのうちにおかれる。

17編

 

 17:1 【祈り。ダビデの詩。】主よ、正しい訴えを聞き/わたしの叫びに耳を傾け/祈りに耳を向けてください。わたしの唇に欺きはありません。

 

 17:2 御前からわたしのために裁きを送り出し/あなた御自身の目をもって公平に御覧ください。

 

 17:3 -4あなたはわたしの心を調べ、夜なお尋ね/火をもってわたしを試されますが/汚れた思いは何ひとつ御覧にならないでしょう。わたしの口は人の習いに従うことなく/あなたの唇の言葉を守ります。暴力の道を避けて

 

 17:5 あなたの道をたどり/一歩一歩、揺らぐことなく進みます。

 

 17:6 あなたを呼び求めます/神よ、わたしに答えてください。わたしに耳を向け、この訴えを聞いてください。

 

 17:7 慈しみの御業を示してください。あなたを避けどころとする人を/立ち向かう者から/右の御手をもって救ってください。

 

 17:8 瞳のようにわたしを守り/あなたの翼の陰に隠してください。

 

 17:9 あなたに逆らう者がわたしを虐げ/貪欲な敵がわたしを包囲しています。

 

 17:10 彼らは自分の肥え太った心のとりことなり/口々に傲慢なことを言います。

 

 17:11 わたしに攻め寄せ、わたしを包囲し/地に打ち倒そうとねらっています。

 

 17:12 そのさまは獲物を求めてあえぐ獅子/待ち伏せる若い獅子のようです。

 

 17:13 主よ、立ち上がってください。御顔を向けて彼らに迫り、屈服させてください。あなたの剣をもって逆らう者を撃ち/わたしの魂を助け出してください。

 

 17:14 主よ、御手をもって彼らを絶ち、この世から絶ち/命ある者の中から彼らの分を絶ってください。しかし、御もとに隠れる人には/豊かに食べ物をお与えください。子らも食べて飽き、子孫にも豊かに残すように。

 

 

 17:15 わたしは正しさを認められ、御顔を仰ぎ望み/目覚めるときには御姿を拝して/満ち足りることができるでしょう。

16編

 

 16:1 【ミクタム。ダビデの詩。】神よ、守ってください/あなたを避けどころとするわたしを。

 

 16:2 主に申します。「あなたはわたしの主。あなたのほかにわたしの幸いはありません。」

 

 16:3 この地の聖なる人々/わたしの愛する尊い人々に申します。

 

 16:4 「ほかの神の後を追う者には苦しみが加わる。わたしは血を注ぐ彼らの祭りを行わず/彼らの神の名を唇に上らせません。」

 

 16:5 主はわたしに与えられた分、わたしの杯。主はわたしの運命を支える方。

 

 16:6 測り縄は麗しい地を示し/わたしは輝かしい嗣業を受けました。

 

 16:7 わたしは主をたたえます。主はわたしの思いを励まし/わたしの心を夜ごと諭してくださいます。

 

 16:8 わたしは絶えず主に相対しています。主は右にいまし/わたしは揺らぐことがありません。

 

 16:9 わたしの心は喜び、魂は躍ります。からだは安心して憩います。

 

 16:10 あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく/あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず

 

 

 16:11 命の道を教えてくださいます。わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い/右の御手から永遠の喜びをいただきます。

15編

 

 15:1 【賛歌。ダビデの詩。】主よ、どのような人が、あなたの幕屋に宿り/聖なる山に住むことができるのでしょうか。

 

 15:2 それは、完全な道を歩き、正しいことを行う人。心には真実の言葉があり

 

 15:3 舌には中傷をもたない人。友に災いをもたらさず、親しい人を嘲らない人。

 

 15:4 主の目にかなわないものは退け/主を畏れる人を尊び/悪事をしないとの誓いを守る人。

 

 

 15:5 金を貸しても利息を取らず/賄賂を受けて無実の人を陥れたりしない人。これらのことを守る人は/とこしえに揺らぐことがないでしょう。

14編

 

 14:1 【指揮者によって。ダビデの詩。】神を知らぬ者は心に言う/「神などない」と。人々は腐敗している。忌むべき行いをする。善を行う者はいない。

 

 14:2 主は天から人の子らを見渡し、探される/目覚めた人、神を求める人はいないか、と。

 

 14:3 だれもかれも背き去った。皆ともに、汚れている。善を行う者はいない。ひとりもいない。

 

 14:4 悪を行う者は知っているはずではないか。パンを食らうかのようにわたしの民を食らい/主を呼び求めることをしない者よ。

 

 14:5 そのゆえにこそ、大いに恐れるがよい。神は従う人々の群れにいます。

 

 14:6 貧しい人の計らいをお前たちが挫折させても/主は必ず、避けどころとなってくださる。

 

 14:7 どうか、イスラエルの救いが/シオンから起こるように。主が御自分の民、捕われ人を連れ帰られるとき/ヤコブは喜び躍り/イスラエルは喜び祝うであろう。

 

 

13編

 

 13:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】

 

 13:2 いつまで、主よ/わたしを忘れておられるのか。いつまで、御顔をわたしから隠しておられるのか。

 

 13:3 いつまで、わたしの魂は思い煩い/日々の嘆きが心を去らないのか。いつまで、敵はわたしに向かって誇るのか。

 

 13:4 わたしの神、主よ、顧みてわたしに答え/わたしの目に光を与えてください/死の眠りに就くことのないように

 

 13:5 敵が勝ったと思うことのないように/わたしを苦しめる者が/動揺するわたしを見て喜ぶことのないように。

 

 

 13:6 あなたの慈しみに依り頼みます。わたしの心は御救いに喜び躍り/主に向かって歌います/「主はわたしに報いてくださった」と。

12編

 

 12:1 【指揮者によって。第八調。賛歌。ダビデの詩。】

 

 12:2 主よ、お救いください。主の慈しみに生きる人は絶え/人の子らの中から/信仰のある人は消え去りました。

 

 12:3 人は友に向かって偽りを言い/滑らかな唇、二心をもって話します。

 

 12:4 主よ、すべて滅ぼしてください/滑らかな唇と威張って語る舌を。

 

 12:5 彼らは言います。「舌によって力を振るおう。自分の唇は自分のためだ。わたしたちに主人などはない。」

 

 12:6 主は言われます。「虐げに苦しむ者と/呻いている貧しい者のために/今、わたしは立ち上がり/彼らがあえぎ望む救いを与えよう。」

 

 12:7 主の仰せは清い。土の炉で七たび練り清めた銀。

 

 12:8 主よ、あなたはその仰せを守り/この代からとこしえに至るまで/わたしたちを見守ってくださいます。