新シリーズ:『賢く生きよう』

 

-新約聖書に学ぶ知恵-

 

 日本聖書協会新共同訳・新約聖書「テモテへの手紙2」

 

4章

 

 4:1 神の御前で、そして、生きている者と死んだ者を裁くために来られるキリスト・イエスの御前で、その出現とその御国とを思いつつ、厳かに命じます。

 

 4:2 御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです。

 

 4:3 だれも健全な教えを聞こうとしない時が来ます。そのとき、人々は自分に都合の良いことを聞こうと、好き勝手に教師たちを寄せ集め、

 

 4:4 真理から耳を背け、作り話の方にそれて行くようになります。

 

 4:5 しかしあなたは、どんな場合にも身を慎み、苦しみを耐え忍び、福音宣教者の仕事に励み、自分の務めを果たしなさい。

 

 4:6 わたし自身は、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました。

 

 4:7 わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。

 

 4:8 今や、義の栄冠を受けるばかりです。正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、だれにでも授けてくださいます。

 

 ◆個人的指示

 

 4:9 ぜひ、急いでわたしのところへ来てください。

 

 4:10 デマスはこの世を愛し、わたしを見捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行っているからです。

 

 4:11 ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。

 

 4:12 わたしはティキコをエフェソに遣わしました。

 

 4:13 あなたが来るときには、わたしがトロアスのカルポのところに置いてきた外套を持って来てください。また書物、特に羊皮紙のものを持って来てください。

 

 4:14 銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました。主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。

 

 4:15 あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。

 

 4:16 わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。

 

 4:17 しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。

 

 4:18 主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

 

 ◆結びの言葉

 

 4:19 プリスカとアキラに、そしてオネシフォロの家の人々によろしく伝えてください。

 

 4:20 エラストはコリントにとどまりました。トロフィモは病気なのでミレトスに残してきました。

 

 4:21 冬になる前にぜひ来てください。エウブロ、プデンス、リノス、クラウディア、およびすべての兄弟があなたによろしくと言っています。

 

 

 4:22 主があなたの霊と共にいてくださるように。恵みがあなたがたと共にあるように。

 

3章

 

◆終わりの時の人々の有様

 

 3:1 しかし、終わりの時には困難な時期が来ることを悟りなさい。

 

 3:2 そのとき、人々は自分自身を愛し、金銭を愛し、ほらを吹き、高慢になり、神をあざけり、両親に従わず、恩を知らず、神を畏れなくなります。

 

 3:3 また、情けを知らず、和解せず、中傷し、節度がなく、残忍になり、善を好まず、

 

 3:4 人を裏切り、軽率になり、思い上がり、神よりも快楽を愛し、

 

 3:5 信心を装いながら、その実、信心の力を否定するようになります。こういう人々を避けなさい。

 

 3:6 彼らの中には、他人の家に入り込み、愚かな女どもをたぶらかしている者がいるのです。彼女たちは罪に満ち、さまざまの情欲に駆り立てられており、

 

 3:7 いつも学んでいながら、決して真理の認識に達することができません。

 

 3:8 ヤンネとヤンブレがモーセに逆らったように、彼らも真理に逆らっています。彼らは精神の腐った人間で、信仰の失格者です。

 

 3:9 しかし、これ以上はびこらないでしょう。彼らの無知がすべての人々にあらわになるからです。ヤンネとヤンブレの場合もそうでした。

 

 ◆最後の勧め

 

 3:10 しかしあなたは、わたしの教え、行動、意図、信仰、寛容、愛、忍耐に倣い、

 

 3:11 アンティオキア、イコニオン、リストラでわたしにふりかかったような迫害と苦難をもいといませんでした。そのような迫害にわたしは耐えました。そして、主がそのすべてからわたしを救い出してくださったのです。

 

 3:12 キリスト・イエスに結ばれて信心深く生きようとする人は皆、迫害を受けます。

 

 3:13 悪人や詐欺師は、惑わし惑わされながら、ますます悪くなっていきます。

 

 3:14 だがあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたは、それをだれから学んだかを知っており、

 

 3:15 また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。

 

 3:16 聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。

 

 

 3:17 こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。

 

2章

 

◆キリスト・イエスの兵士として

 

 2:1 そこで、わたしの子よ、あなたはキリスト・イエスにおける恵みによって強くなりなさい。

 

 2:2 そして、多くの証人の面前でわたしから聞いたことを、ほかの人々にも教えることのできる忠実な人たちにゆだねなさい。

 

 2:3 キリスト・イエスの立派な兵士として、わたしと共に苦しみを忍びなさい。

 

 2:4 兵役に服している者は生計を立てるための仕事に煩わされず、自分を召集した者の気に入ろうとします。

 

 2:5 また、競技に参加する者は、規則に従って競技をしないならば、栄冠を受けることができません。

 

 2:6 労苦している農夫こそ、最初に収穫の分け前にあずかるべきです。

 

 2:7 わたしの言うことをよく考えてみなさい。主は、あなたがすべてのことを理解できるようにしてくださるからです。

 

 2:8 イエス・キリストのことを思い起こしなさい。わたしの宣べ伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫で、死者の中から復活されたのです。

 

 2:9 この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません。

 

 2:10 だから、わたしは、選ばれた人々のために、あらゆることを耐え忍んでいます。彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです。

 

 2:11 次の言葉は真実です。「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、/キリストと共に生きるようになる。

 

 2:12 耐え忍ぶなら、/キリストと共に支配するようになる。キリストを否むなら、/キリストもわたしたちを否まれる。

 

 2:13 わたしたちが誠実でなくても、/キリストは常に真実であられる。キリストは御自身を/否むことができないからである。」

 

 ◆適格者と認められた働き手

 

 2:14 これらのことを人々に思い起こさせ、言葉をあげつらわないようにと、神の御前で厳かに命じなさい。そのようなことは、何の役にも立たず、聞く者を破滅させるのです。

 

 2:15 あなたは、適格者と認められて神の前に立つ者、恥じるところのない働き手、真理の言葉を正しく伝える者となるように努めなさい。

 

 2:16 俗悪な無駄話を避けなさい。そのような話をする者はますます不信心になっていき、

 

 2:17 その言葉は悪いはれ物のように広がります。その中には、ヒメナイとフィレトがいます。

 

 2:18 彼らは真理の道を踏み外し、復活はもう起こったと言って、ある人々の信仰を覆しています。

 

 2:19 しかし、神が据えられた堅固な基礎は揺るぎません。そこには、「主は御自分の者たちを知っておられる」と、また「主の名を呼ぶ者は皆、不義から身を引くべきである」と刻まれています。

 

 2:20 さて、大きな家には金や銀の器だけではなく、木や土の器もあります。一方は貴いことに、他方は普通のことに用いられます。

 

 2:21 だから、今述べた諸悪から自分を清める人は、貴いことに用いられる器になり、聖なるもの、主人に役立つもの、あらゆる善い業のために備えられたものとなるのです。

 

 2:22 若いころの情欲から遠ざかり、清い心で主を呼び求める人々と共に、正義と信仰と愛と平和を追い求めなさい。

 

 2:23 愚かで無知な議論を避けなさい。あなたも知っているとおり、そのような議論は争いのもとになります。

 

 2:24 主の僕たる者は争わず、すべての人に柔和に接し、教えることができ、よく忍び、

 

 2:25 反抗する者を優しく教え導かねばなりません。神は彼らを悔い改めさせ、真理を認識させてくださるかもしれないのです。

 

 

 2:26 こうして彼らは、悪魔に生け捕りにされてその意のままになっていても、いつか目覚めてその罠から逃れるようになるでしょう。

1章

 

◆挨拶

 

 1:1 キリスト・イエスによって与えられる命の約束を宣べ伝えるために、神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロから、

 

 1:2 愛する子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。

 

 ◆ゆだねられているものを守る

 

 1:3 わたしは、昼も夜も祈りの中で絶えずあなたを思い起こし、先祖に倣い清い良心をもって仕えている神に、感謝しています。

 

 1:4 わたしは、あなたの涙を忘れることができず、ぜひあなたに会って、喜びで満たされたいと願っています。

 

 1:5 そして、あなたが抱いている純真な信仰を思い起こしています。その信仰は、まずあなたの祖母ロイスと母エウニケに宿りましたが、それがあなたにも宿っていると、わたしは確信しています。

 

 1:6 そういうわけで、わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。

 

 1:7 神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。

 

 1:8 だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。

 

 1:9 神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、

 

 1:10 今や、わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。

 

 1:11 この福音のために、わたしは宣教者、使徒、教師に任命されました。

 

 1:12 そのために、わたしはこのように苦しみを受けているのですが、それを恥じていません。というのは、わたしは自分が信頼している方を知っており、わたしにゆだねられているものを、その方がかの日まで守ることがおできになると確信しているからです。

 

 1:13 キリスト・イエスによって与えられる信仰と愛をもって、わたしから聞いた健全な言葉を手本としなさい。

 

 1:14 あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。

 

 1:15 あなたも知っているように、アジア州の人々は皆、わたしから離れ去りました。その中にはフィゲロとヘルモゲネスがいます。

 

 1:16 どうか、主がオネシフォロの家族を憐れんでくださいますように。彼は、わたしをしばしば励まし、わたしが囚人の身であることを恥とも思わず、

 

 1:17 ローマに着くとわたしを熱心に探し、見つけ出してくれたのです。

 

 1:18 どうか、主がかの日に、主のもとで彼に憐れみを授けてくださいますように。彼がエフェソでどれほどわたしに仕えてくれたか、あなたがだれよりもよく知っています。

 

 

6章

 

◆信仰の戦い

 

 6:11 しかし、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい。

 

 6:12 信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。命を得るために、あなたは神から召され、多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。

 

 6:13 万物に命をお与えになる神の御前で、そして、ポンティオ・ピラトの面前で立派な宣言によって証しをなさったキリスト・イエスの御前で、あなたに命じます。

 

 6:14 わたしたちの主イエス・キリストが再び来られるときまで、おちどなく、非難されないように、この掟を守りなさい。

 

 6:15 神は、定められた時にキリストを現してくださいます。神は、祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主、

 

 6:16 唯一の不死の存在、近寄り難い光の中に住まわれる方、だれ一人見たことがなく、見ることのできない方です。この神に誉れと永遠の支配がありますように、アーメン。

 

 6:17 この世で富んでいる人々に命じなさい。高慢にならず、不確かな富に望みを置くのではなく、わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。

 

 6:18 善を行い、良い行いに富み、物惜しみをせず、喜んで分け与えるように。

 

 6:19 真の命を得るために、未来に備えて自分のために堅固な基礎を築くようにと。

 

 6:20 テモテ、あなたにゆだねられているものを守り、俗悪な無駄話と、不当にも知識と呼ばれている反対論とを避けなさい。

 

 6:21 その知識を鼻にかけ、信仰の道を踏み外してしまった者もいます。恵みがあなたがたと共にあるように。

 

 

 

5章

 

◆教会の人々に対して

 

 5:1 老人を叱ってはなりません。むしろ、自分の父親と思って諭しなさい。若い男は兄弟と思い、

 

 5:2 年老いた婦人は母親と思い、若い女性には常に清らかな心で姉妹と思って諭しなさい。

 

 5:3 身寄りのないやもめを大事にしてあげなさい。

 

 5:4 やもめに子や孫がいるならば、これらの者に、まず自分の家族を大切にし、親に恩返しをすることを学ばせるべきです。それは神に喜ばれることだからです。

 

 5:5 身寄りがなく独り暮らしのやもめは、神に希望を置き、昼も夜も願いと祈りを続けますが、

 

 5:6 放縦な生活をしているやもめは、生きていても死んでいるのと同然です。

 

 5:7 やもめたちが非難されたりしないように、次のことも命じなさい。

 

 5:8 自分の親族、特に家族の世話をしない者がいれば、その者は信仰を捨てたことになり、信者でない人にも劣っています。

 

 5:9 やもめとして登録するのは、六十歳未満の者ではなく、一人の夫の妻であった人、

 

 5:10 善い行いで評判の良い人でなければなりません。子供を育て上げたとか、旅人を親切にもてなしたとか、聖なる者たちの足を洗ったとか、苦しんでいる人々を助けたとか、あらゆる善い業に励んだ者でなければなりません。

 

 5:11 年若いやもめは登録してはなりません。というのは、彼女たちは、情欲にかられてキリストから離れると、結婚したがるようになり、

 

 5:12 前にした約束を破ったという非難を受けることになるからです。

 

 5:13 その上、彼女たちは家から家へと回り歩くうちに怠け癖がつき、更に、ただ怠けるだけでなく、おしゃべりで詮索好きになり、話してはならないことまで話しだします。

 

 5:14 だから、わたしが望むのは、若いやもめは再婚し、子供を産み、家事を取りしきり、反対者に悪口の機会を一切与えないことです。

 

 5:15 既に道を踏み外し、サタンについて行ったやもめもいるからです。

 

 5:16 信者の婦人で身内にやもめがいれば、その世話をすべきであり、教会に負担をかけてはなりません。そうすれば教会は身寄りのないやもめの世話をすることができます。

 

 5:17 よく指導している長老たち、特に御言葉と教えのために労苦している長老たちは二倍の報酬を受けるにふさわしい、と考えるべきです。

 

 5:18 聖書には、「脱穀している牛に口籠をはめてはならない」と、また「働く者が報酬を受けるのは当然である」と書かれています。

 

 5:19 長老に反対する訴えは、二人あるいは三人の証人がいなければ、受理してはなりません。

 

 5:20 罪を犯している者に対しては、皆の前でとがめなさい。そうすれば、ほかの者も恐れを抱くようになります。

 

 5:21 神とキリスト・イエスと選ばれた天使たちとの前で、厳かに命じる。偏見を持たずにこれらの指示に従いなさい。何事をするにも、えこひいきはなりません。

 

 5:22 性急にだれにでも手を置いてはなりません。他人の罪に加わってもなりません。いつも潔白でいなさい。

 

 5:23 これからは水ばかり飲まないで、胃のために、また、度々起こる病気のために、ぶどう酒を少し用いなさい。

 

 5:24 ある人々の罪は明白でたちまち裁かれますが、ほかの人々の罪は後になって明らかになります。

 

 

 5:25 同じように、良い行いも明白です。そうでない場合でも、隠れたままのことはありません。

 

4章

 

◆神に喜ばれる生活

 

 4:1 さて、兄弟たち、主イエスに結ばれた者としてわたしたちは更に願い、また勧めます。あなたがたは、神に喜ばれるためにどのように歩むべきかを、わたしたちから学びました。そして、現にそのように歩んでいますが、どうか、その歩みを今後も更に続けてください。

 

 4:2 わたしたちが主イエスによってどのように命令したか、あなたがたはよく知っているはずです。

 

 4:3 実に、神の御心は、あなたがたが聖なる者となることです。すなわち、みだらな行いを避け、

 

 4:4 おのおの汚れのない心と尊敬の念をもって妻と生活するように学ばねばならず、

 

 4:5 神を知らない異邦人のように情欲におぼれてはならないのです。

 

 4:6 このようなことで、兄弟を踏みつけたり、欺いたりしてはいけません。わたしたちが以前にも告げ、また厳しく戒めておいたように、主はこれらすべてのことについて罰をお与えになるからです。

 

 4:7 神がわたしたちを招かれたのは、汚れた生き方ではなく、聖なる生活をさせるためです。

 

 4:8 ですから、これらの警告を拒む者は、人を拒むのではなく、御自分の聖霊をあなたがたの内に与えてくださる神を拒むことになるのです。

 

 4:9 兄弟愛については、あなたがたに書く必要はありません。あなたがた自身、互いに愛し合うように、神から教えられているからです。

 

 4:10 現にあなたがたは、マケドニア州全土に住むすべての兄弟に、それを実行しています。しかし、兄弟たち、なおいっそう励むように勧めます。

 

 4:11 そして、わたしたちが命じておいたように、落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くように努めなさい。

 

 4:12 そうすれば、外部の人々に対して品位をもって歩み、だれにも迷惑をかけないで済むでしょう。

 

 ◆主は来られる

 

 4:13 兄弟たち、既に眠りについた人たちについては、希望を持たないほかの人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい。

 

 4:14 イエスが死んで復活されたと、わたしたちは信じています。神は同じように、イエスを信じて眠りについた人たちをも、イエスと一緒に導き出してくださいます。

 

 4:15 主の言葉に基づいて次のことを伝えます。主が来られる日まで生き残るわたしたちが、眠りについた人たちより先になることは、決してありません。

 

 4:16 すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、

 

 4:17 それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。

 

 

 4:18 ですから、今述べた言葉によって励まし合いなさい。

3章

 

 3:1 この言葉は真実です。

 

 ◆監督の資格

 

 3:1 「監督の職を求める人がいれば、その人は良い仕事を望んでいる。」

 

 3:2 だから、監督は、非のうちどころがなく、一人の妻の夫であり、節制し、分別があり、礼儀正しく、客を親切にもてなし、よく教えることができなければなりません。

 

 3:3 また、酒におぼれず、乱暴でなく、寛容で、争いを好まず、金銭に執着せず、

 

 3:4 自分の家庭をよく治め、常に品位を保って子供たちを従順な者に育てている人でなければなりません。

 

 3:5 自分の家庭を治めることを知らない者に、どうして神の教会の世話ができるでしょうか。

 

 3:6 監督は、信仰に入って間もない人ではいけません。それでは高慢になって悪魔と同じ裁きを受けかねないからです。

 

 3:7 更に、監督は、教会以外の人々からも良い評判を得ている人でなければなりません。そうでなければ、中傷され、悪魔の罠に陥りかねないからです。

 

 ◆奉仕者の資格

 

 3:8 同じように、奉仕者たちも品位のある人でなければなりません。二枚舌を使わず、大酒を飲まず、恥ずべき利益をむさぼらず、

 

 3:9 清い良心の中に信仰の秘められた真理を持っている人でなければなりません。

 

 3:10 この人々もまず審査を受けるべきです。その上で、非難される点がなければ、奉仕者の務めに就かせなさい。

 

 3:11 婦人の奉仕者たちも同じように品位のある人でなければなりません。中傷せず、節制し、あらゆる点で忠実な人でなければなりません。

 

 3:12 奉仕者は一人の妻の夫で、子供たちと自分の家庭をよく治める人でなければなりません。

 

 3:13 というのも、奉仕者の仕事を立派に果たした人々は、良い地位を得、キリスト・イエスへの信仰によって大きな確信を得るようになるからです。

 

 ◆信心の秘められた真理

 

 3:14 わたしは、間もなくあなたのところへ行きたいと思いながら、この手紙を書いています。

 

 3:15 行くのが遅れる場合、神の家でどのように生活すべきかを知ってもらいたいのです。神の家とは、真理の柱であり土台である生ける神の教会です。

 

 

 3:16 信心の秘められた真理は確かに偉大です。すなわち、/キリストは肉において現れ、/“霊”において義とされ、/天使たちに見られ、/異邦人の間で宣べ伝えられ、/世界中で信じられ、/栄光のうちに上げられた。

 

2章

 

◆祈りに関する教え

 

 2:1 そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。

 

 2:2 王たちやすべての高官のためにもささげなさい。わたしたちが常に信心と品位を保ち、平穏で落ち着いた生活を送るためです。

 

 2:3 これは、わたしたちの救い主である神の御前に良いことであり、喜ばれることです。

 

 2:4 神は、すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます。

 

 2:5 神は唯一であり、神と人との間の仲介者も、人であるキリスト・イエスただおひとりなのです。

 

 2:6 この方はすべての人の贖いとして御自身を献げられました。これは定められた時になされた証しです。

 

 2:7 わたしは、その証しのために宣教者また使徒として、すなわち異邦人に信仰と真理を説く教師として任命されたのです。わたしは真実を語っており、偽りは言っていません。

 

 2:8 だから、わたしが望むのは、男は怒らず争わず、清い手を上げてどこででも祈ることです。

 

 2:9 同じように、婦人はつつましい身なりをし、慎みと貞淑をもって身を飾るべきであり、髪を編んだり、金や真珠や高価な着物を身に着けたりしてはなりません。

 

 2:10 むしろ、善い業で身を飾るのが、神を敬うと公言する婦人にふさわしいことです。

 

 2:11 婦人は、静かに、全く従順に学ぶべきです。

 

 2:12 婦人が教えたり、男の上に立ったりするのを、わたしは許しません。むしろ、静かにしているべきです。

 

 2:13 なぜならば、アダムが最初に造られ、それからエバが造られたからです。

 

 2:14 しかも、アダムはだまされませんでしたが、女はだまされて、罪を犯してしまいました。

 

 

 2:15 しかし婦人は、信仰と愛と清さを保ち続け、貞淑であるならば、子を産むことによって救われます。

 

1章

 

◆挨拶

 

 1:1 わたしたちの救い主である神とわたしたちの希望であるキリスト・イエスによって任命され、キリスト・イエスの使徒となったパウロから、

 

 1:2 信仰によるまことの子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。

 

 ◆異なる教えについての警告

 

 1:3 マケドニア州に出発するときに頼んでおいたように、あなたはエフェソにとどまって、ある人々に命じなさい。異なる教えを説いたり、

 

 1:4 作り話や切りのない系図に心を奪われたりしないようにと。このような作り話や系図は、信仰による神の救いの計画の実現よりも、むしろ無意味な詮索を引き起こします。

 

 1:5 わたしのこの命令は、清い心と正しい良心と純真な信仰とから生じる愛を目指すものです。

 

 1:6 ある人々はこれらのものからそれて、無益な議論の中に迷い込みました。

 

 1:7 彼らは、自分の言っていることも主張している事柄についても理解していないのに、律法の教師でありたいと思っています。

 

 1:8 しかし、わたしたちは、律法は正しく用いるならば良いものであることを知っています。

 

 1:9 すなわち、次のことを知って用いれば良いものです。律法は、正しい者のために与えられているのではなく、不法な者や不従順な者、不信心な者や罪を犯す者、神を畏れぬ者や俗悪な者、父を殺す者や母を殺す者、人を殺す者、

 

 1:10 みだらな行いをする者、男色をする者、誘拐する者、偽りを言う者、偽証する者のために与えられ、そのほか、健全な教えに反することがあれば、そのために与えられているのです。

 

 1:11 今述べたことは、祝福に満ちた神の栄光の福音に一致しており、わたしはその福音をゆだねられています。